◆もちろん当日いつになくイレ込んだり、大きく体を減らしていたりしたら危険信号かもしれないが…
先週日曜(9日)施行予定が雪の影響で開催中止となり、月曜(17日)に順延されたGIII東京新聞杯(東京芝1600メートル)。関東馬も影響はゼロではないだろうが、短期間に長距離輸送を2度強いられる関西馬は、やはり大きな負担になる?
「行きも帰りも輸送は通常より2時間ぐらいかかった程度で、体が大きく減った感じはないけど。これでもう一度輸送となるとね。もともとテンションが高くなるタイプだから、競馬場に着いて競馬と思わせておいて時間を空けてまた競馬となると肉体面というより精神面がどうなのかという不安はある」とはショウナンマイティの梅田智調教師。
実際、ダノンシャークのように再度の輸送を嫌って登録を取りやめ、違うレースに回る馬も出ているくらいだ。
「でも東京新聞杯を使わずに阪急杯(阪神芝内1400メートル)に行くのでは距離が忙しいし、中山記念(芝内1800メートル)の中山は弥生賞(4着)の嫌なイメージがあるからね。結局、一番勝てるチャンスがあるのはここという決断になった」(梅田智師)
もっとも輸送の負担増に関しては先週の小倉でこんなケースもあった。
日曜競馬に使うため土曜朝に出発した組は、途中の高速道路が通行止めになった影響で、通常より倍近く輸送時間を要し、朝の9時に出発した馬が夜10時に小倉競馬場に到着するという異常事態となったのだが、午前中のレースではその長時間輸送を強いられた土曜出発組の2頭が華麗にワンツーを決めたのだという。そんな話を聞くと輸送うんぬんでそこまで過敏にならなくてもいいのかもという気もしてくる。
もちろん当日いつになくイレ込んだり、大きく体を減らしていたりしたら危険信号かもしれないが、陣営が再輸送しても大丈夫とジャッジして月曜競馬=東京新聞杯に使っているのなら…。信じて買った方が馬券的にも妙味があるかもしれない。
(栗東の坂路野郎・高岡功)