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松田国英調教師/フェブラリーS(2)『今までのダート馬とは捉え方が違う』

  • 2014年02月20日(木) 12時00分
松田国英調教師

◆芝馬をダートで走れるようにするには

 日本の競馬の長い歴史の中でも、芝とダートの両方で頂上決戦に挑める馬は少ない。ではなぜ、クロフネとベルシャザールはそのどちらでも力を発揮することが出来るのだろうか。

「芝とダートでは、肉体的にも精神的にも求められるものが違います。まず肉体ですが、ダートに適しているのは前脚を高く上げる走法、芝では体を低くして走る走法の馬がいい。でも、芝向きの走り方をする馬でもしっかりと筋肉を鍛錬すれば、ダートでも走れるようになりますし、ダート向きの走りをする馬よりもすごいパフォーマンスを発揮できるんです。

ダートを使って来ると、筋肉が岩のように盛り上がって来ますよね。芝の場合あれだけ筋肉を付けたら邪魔になるかもしれないくらい、ダートを使ってくると筋肉が太くなって、盛り上がって来るんです。そうすると、歩幅は芝の歩幅で走る、なおかつそれを動かす筋肉は鍛錬されているので、馬体の上の方の関節の可動域が非常に大きく動かせるのです」

 芝での走りをベースに、その上にダートの筋肉を付けて行く。今の日本の施設を使えば、ある程度の鍛錬は可能だという。しかし、クロフネとベルシャザールが特別なのは、肉体だけでなく、心の部分が大きいのだ。

「勇気のない馬って言ったら、馬に対して失礼かもしれないけれど、ダートを走る馬は自分が強いと言うことを自負しつつ、勇気がないと。有言実行じゃないとダメなんです。『俺は強い!』って言って、砂を被ったら怯んでるようじゃダメですよね。それは鍛錬ではどうすることも出来ないので。もともと持っている資質が大事なんです」

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GIの注目馬にスポットを当て、主戦騎手や管理調教師を独占取材するnetkeibaのスペシャルインタビュー。GIに向けた意気込みや中間の調整過程、レース後に直撃し、戦いの舞台裏にあった知られざる真実を語っていただきます。

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