2月15、16日には土日で3勝をマークし、勝利数を2ケタに乗せてきた小牧騎手。きさらぎ賞をはじめ、3歳馬では思うように結果が出せていませんが、それでもコンスタントに勝ち星を積み上げ、充実ぶりがうかがえます。今回はそんな直近のレースを対象に、ベストレース、ワーストレースを振り返ります。
(取材・文/不破由妃子)
■自分の調子がいいと、大胆な乗り方ができるね──今回は、1月25日から2月16日までの競馬を振り返っていきたいのですが、65戦して9勝2着11回3着6回。絶好調でしたね。
小牧 いい馬に乗せてもらってるんでね。おかげさまで、コンスタントに結果が出せてます。
──ファン目線でいうと、5番人気以内の小牧さんは全部買っておかなければという存在でした。何しろ5番人気以内に限ると、連対率65.2%でしたから。
小牧 そうなんや(笑)。なんていうのかな、出遅れたら出遅れたなりに最善を尽くしたというか。もちろん勝ちたいんやけど、勝てそうもなくても何とか上位にという競馬をしてるつもりです。
──ではさっそく、ベストレース、ワーストレースをうかがっていきたいと思います。逃げ切りあり、直線一気ありと、まさに変幻自在でしたね。
小牧 自分としては逃げ切りが多かった印象やけど、結構いい競馬してるやろ(笑)? 中京のテンシノホホエミ(1月25日・中京6R・3歳未勝利)とタイセイドリーム(1月25日・中京12R・金山特別)は良かったなぁ。ガッツリ追いましたわ。タイセイは2、3着続きで、なかなか勝ち切れんかった馬やから、ああやって早め先頭で押し切ってくれてうれしかったわ。いい勝ち方ができましたね。
──昨年の夏は、小牧さんが騎乗して3戦連続2着でしたものね。もどかしい思いをしたのを覚えています。
小牧 ジッとしていてもなかなか勝てない馬なので。今回は、馬の調子はもちろんやけど、僕自身の調子がいいからこそ、ああいう大胆な乗り方ができたのかなって。最近は頭数も乗ってるしね。疲れたなぁと思うこともあるけど、(騎乗数が減った)暮れのことを思ったら、そんなこと言うてる場合じゃないなと思いながら、頑張って乗ってますわ。
──疲れる半面、気持ちの面では充実されているのでは?
小牧 ホンマやね。やっぱりコンスタントに勝てると気持ちが違うよね。

やっぱりコンスタントに勝てると気持ちが違うよね
──テンシノホホエミは調教では乗っていらっしゃいましたが、レースはテン乗りでした。狭いところを抜けてきましたよね。
小牧 うん。一瞬、届かない、負けたかなと思ったわ。どっちに行こうか、こっちか、それともこっちかって迷いながら乗ってたレースだったんでね、そんななかで勝てたっていうのは大きかったね。というのも、その日最初のレース(2R)で、先週勝ったクリノアマダブラムに乗ったんやけど、直線で脚は十分にありながら、行くところがなくて2着に負けたんですわ。「しょっぱなから詰まった…。なかなか勝てんもんやなぁ」と思いながら乗ってたところに、テンシノホホエミで勝ててね。気持ちが晴れた感じでしたわ。
──そのほかにも鮮やかな勝利がたくさんありました。そんななかで、上のクラスにいってもおもしろそうだなという馬は?
小牧 勝った馬というより、2着だった馬の次が楽しみやね。先週勝ったクリノアマダブラム(2月16日・小倉7R・4歳上500万)も、前回の2着から今回は確勝級やったからね。そういう馬が多いわ。
──2着馬といえば、ペンタトニック(2月9日・京都5R・3歳未勝利2着)も次は確勝級では?
小牧 いやぁ…、前回は負けたら乗り替わりやなぁなんて覚悟しながら乗ってたんやけどね。あれ負けたのはショックやった。前回は何としても勝っとかなアカンかった。めちゃくちゃショックやったわ。素質があるのは間違いないんやけど、まだ競馬を覚えていないというか…。それにしても、今年は岩田くんによう負けてる。ペンタトニックも、岩田くんのアグリッパーバイオにひょいと差されて。
──確かに今年は、岩田さんとのワンツーが多いですね。
小牧 そうそう。岩田くんの2着ばっかりや。よう負けてるねぇ。“なんでやねん!”っていうくらい(笑)。でもまぁ、いい傾向やね。
──では、ワーストレースというと?
小牧 ああ、先週のアドマイヤライン(2月16日・小倉10R・脊振山特別3着)は下手な乗り方をしました。あれこそ、もう少し巧く乗っていれば勝ってたね。引っ掛かるとは聞いていたんやけど、もう少し我慢させることができれば、勝ってたレースやった。悔しいレースも多いけど、おかげさまで順調に勝ててるんで、このリズムを崩さないように頑張りますわ。
【次回の太論は!?】
きさらぎ賞では6着に終わったサトノルパンですが、満を持して東上した2月24日の東京6Rで、念願の2勝目をマークしました。エルフィンS5着のレッドオーラムについても、オークスを視野にまだまだ伸びしろは十分です。次回は3歳馬を中心に、春の期待馬についてうかがいます。