G1舞台の中心にと期待されるスティルインラブ、ネオユニヴァース、ファインモーション。そのいずれもが敗れた前哨戦を見て、つくづく、競馬の難しさを感じます。
敗戦から巻き返しというテーマの下、この秋のG1戦シリーズはスタートしました。そういえば、デュランダルが追い込んだスプリンターズSもそんなでした。
ラストランだったビリーヴの惜敗には、それほどのショックもなく、その健闘ぶりを、むしろ称えたい気分だったと思うのですが、秋華賞から菊花賞、天皇賞・秋は、それとは違っています。その多くが、これから先の競走生活があり、この1、2年の日本の競馬の柱になるものばかりだからです。この3戦に出走する馬たちの担っているものは大きく、これをしっかり見てゆくことで、少なくとも、ジャパンC、有馬記念の相当な部分をつかむことが出来るはずです。そして、さらには、来年の見通しも、ある程度は立ちます。
分かり切っているこういうことを改めて復習することが、ひとつひとつのG1戦の結果を注視し、そこからの次へのステップを考えていくことになります。
こうして大きく競馬を考えていくと、一緒に楽しみも増大するではありませんか。
本当は、競馬の仕組みはそうなっている筈なのに、私達は、あまりにも目先のことにとらわれているのではないか。主力馬たちの敗戦というショックが続く中で、もうひと腰入れ冷静さを取り戻してみると、そういうことになります。
勝っても負けても次にある目標に向かって、テーマ通りの競馬が出来たかどうかの方がずっと大きいということを忘れないでいたいですね。勝つのはもちろん意味があっても、次につながる負け方であったかどうかも、それと同等に大切なのですから。前哨戦で敗れた主役たち、本番での巻き返しがどこまであるか、どこまでも追跡するつもりです。