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父母ともに米G1を勝った良血エイシンロビン

  • 2014年03月05日(水) 12時00分


【3歳】
エイシンハヤブサ(牡 栗東・高野友和 父ダイワメジャー、母アーリントンガール)
 母アーリントンガールは中央未勝利に終わったものの、母の父は名種牡馬Miswaki、2代母エイシンテネシーはマーベラスクラウン、ネーハイシーザーを相手に金杯・西(GIII)を勝った名牝。ポテンシャルの高さを感じさせる繁殖牝馬なので配合次第では大物を出す可能性があると思われる。母の2代前にはMr.ProspectorとVice Regentが並んでいるが、これはVice Regentを持つダイワメジャー産駒の出世頭アミカブルナンバー(現OP)の母の父Silver Deputyと同じなので注目したい。本馬は硬質なスピード血統が集められているので、アミカブルナンバーと同じく芝1400〜1600mで本領を発揮するだろう。

エイシンロビン(牝 栗東・小崎憲 父Empire Maker、母Rutherienne)
 12年9月のキーンランドセプテンバーセールにおいて株式会社栄進堂が40万ドル(当時邦貨で約3100万円)で落札した。母Rutherienneはデルマーオークス(米G1・芝9f)、ジェニーウィリーS(米G1・芝8.5f)など北米で24戦11勝の成績を残した活躍馬。本馬はその初子にあたる。父エンパイアメーカーはベルモントS(米G1・ダ12f)などG1を3勝した名馬で、種牡馬としても大成功。12年の米サイアーランキングでは2位だったものの、集計を北米のみに限定するとトップだった。現在日本で繋養されており、今年の夏に日本における初年度産駒がデビューする。母の父Pulpitは父と相性がいいA.P.Indy産駒。母方にA.P.Indyを持つエンパイアメーカー産駒には、G1を6勝した名牝Royal Delta(米3歳牝馬チャンピオン、米古牝馬チャンピオン)、アシュランドS(G1)を9馬身差で圧勝するなどG1を3勝したEmollient、アーカンソーダービー(米G1)を勝ったBodemeisterなどがいる。ダート向きの大物マイラーとなるだろう。

ゲンパチケンザン(牡 美浦・萱野浩二 父ゴールドアリュール、母ブルーベルベット)
 母ブルーベルベットは未勝利馬だが、その全兄にJBCスプリント(GI)など重賞を5勝したマイネルセレクトがいる。マイネルセレクトは桜花賞馬ハギノトップレディの孫にあたる芝血統のファミリーから誕生したが、父フォーティナイナーのパワーによってダート向きに出た。要するに、マイネルセレクトの全妹にあたる母ブルーベルベットの体内には、ハギノトップレディの芝的な要素と、フォーティナイナーのダート的な要素が同居しており、どちらが表に出てくるかによって産駒のタイプが違ってくる。本馬の4分の3兄ブルーハーツクライは芝向きのハーツクライが父なので、芝向きの特長が表れて芝で3勝を挙げた。本馬の父はゴールドアリュール。ダート向きの名種牡馬として定評があるので、おそらく産駒はダート向きに出るだろう。マイル前後で力を発揮する。

サトノエカテリーナ(牝 栗東・池江泰寿 父ディープインパクト、母ロンドンブリッジ)
 母ロンドンブリッジはファンタジーS(GIII)を勝ち、桜花賞でも2着に逃げ粘った快速馬。繁殖成績は優秀で、これまでにダイワエルシエーロ(父サンデーサイレンス/04年オークス-GIなど重賞4勝)、ビッグプラネット(父ブライアンズタイム/05年アーリントンC-GIII、京都金杯-GIII)、ダイワディライト(父アフリート/09年カペラS-GIII・2着)などの活躍馬を送り出し、出走した7頭の子のうち6頭が勝ち上がっている。本馬はディープインパクト産駒。「ディープインパクト×ドクターデヴィアス」の組み合わせはベールドインパクト(13年京都記念-GII・2着、12年京都新聞杯-GII・2着)と同じ。芝向きの中距離タイプとしてしっかり走ってくるだろう。

シェルシェ(牡 栗東・池江泰寿 父ネオユニヴァース、母グリントインハーアイ)
 半兄ティアモブリーオ(父エンパイアメーカー)は比較的小柄な馬体ながらダートのOPクラスで頑張った。本馬の父はネオユニヴァースなので、ヴォルシェーブ(14年京成杯-GIII・6着)、モンドシャルナ(13年ラジオNIKKEI杯2歳S-GIII・6着)、トーセンソレイユ(13年エルフィンS-OP)などの4分の3同血にあたり、ダノンフェニックス(11年京都新聞杯-GII・7着)とも血統構成が近い。ウインドインハーヘアの母の父Bustedは父ネオユニヴァースと相性がよく、HaloとSir Ivorの相似な血のクロスも生じるので、この配合は悪くない。母はBlushing GroomとLyphardを併せ持つので、京成杯(GIII)4着など重賞で安定した力を発揮するピオネロ(父ネオユニヴァース)と配合構成が似ている。芝向きの中距離タイプとして見どころのある配合だ。

ブラボーハワイ(牝 栗東・音無秀孝 父キングカメハメハ、母ブラボーサンライズ)
 ブラボーデイジー(父クロフネ/10年エンプレス杯-JpnII、09年福島牝馬S-GIII)、ブラボースキー(父ストラヴィンスキー/OP)の半妹にあたる。母ブラボーサンライズは強力な芝適性を伝えており、何を交配しても芝向きの産駒が出る。一方、本馬の父キングカメハメハは、Mr.Prospectorのクロスを作るとダート向きに出やすいという特徴がある。本馬はこの配合(Mr.Prospector 3×4)なので、父の配合パターンに沿ってダート向きに出るのか、母の特徴に沿って芝向きに出るのか興味深い。いずれにしても配合は上々なので、どちらに出ても手堅く出世するだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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