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ダイワメジャー産駒のニックス配合タイセイマジック

  • 2014年03月12日(水) 12時00分


【3歳】
アクアブルーキング(牡 栗東・西浦勝一 父キングカメハメハ、母メイショウシュウカ)
 母メイショウシュウカはメイショウオウドウ(00年大阪杯-GII、01年鳴尾記念-GIII)の全妹にあたる良血馬ながら、現役時代は未勝利に終わり、繁殖牝馬としてもこれまでに送り出した4頭はすべて未勝利に終わっている。ただ、父がキングカメハメハに替わった本馬は配合的に見どころがあるので取り上げてみたい。父キングカメハメハは「Northern Dancer+Secretariat」の構成を抱えた血と相性がよく、短距離王ロードカナロア、ダート王ベルシャザール、ジャパンCを勝ったローズキングダムなど、主要な活躍馬はこの配合パターンから誕生している。本馬の2代母アルタデナは、父がNorthern Dancerの息子Lyphard、2代母の父がSecretariatなので、「Northern Dancer+Secretariat」の構成となっている。芝の中距離タイプとしていいところがありそうだ。

コンソラーレ(牝 美浦・相沢郁 父マンハッタンカフェ、母ノースドール)
 父マンハッタンカフェはNijinskyとMr.Prospectorを併せ持つ繁殖牝馬と相性がいい。このパターンからはイコピコ、エーシンモアオバー、サンディエゴシチー、マンハッタンスカイ、レッドアゲート、メイショウレガーロといった活躍馬が出ている。本馬はこのパターン。母にHopespringseternal≒シル2×3という凝縮があるのは面白い。父マンハッタンカフェはドイツ血統を含んだ異系血脈を豊富に抱えているので、それとは対照的な主流血統を濃厚に抱えたノースドールのような繁殖牝馬は好ましい。芝向きのマイラーだろう。

ソルシエトウショウ(牝 美浦・高木登 父マーベラスサンデー、母ウイッチトウショウ)
 レジェトウショウ(父キングヘイロー/13年シルクロードS-GIII・5着)、トウショウギフト(父カリズマティック/準OP)の半妹。「マーベラスサンデー×ジェイドロバリー」は、少ない産駒からメイショウサライ(07年プロキオンS-GIII・4着)、マルトク(準OP)、ラインジェシカ(準OP)などコンスタントに良駒を誕生させており成功している。若干硬いところのある組み合わせなのでダートのほうが合っているが、本馬の場合、2代母サマンサトウショウがエプソムC(GIII)の勝ち馬で、本馬の従姉妹にスイープトウショウ(05年宝塚記念-GI、04年秋華賞-GI、05年エリザベス女王杯-GI)がいるので、芝向きの柔らかさも期待できる。距離はマイル前後がいい。

タイセイマジック(牡 栗東・矢作芳人 父ダイワメジャー、母スロットル)
 関東オークス(GII)5着のピュアーフレームの半弟。「ダイワメジャー×A.P.Indy」の組み合わせは、デビューした4頭中3頭が勝ち上がり、そのなかにはエクセラントカーヴ(13年京成杯オータムH-GIII)、リーゼントロック(14年黒竹賞-3歳500万)が含まれている。唯一未勝利だった1頭はデビュー戦から3着、3着のあと骨折して引退したので、無事ならば勝ち上がっていた可能性が高い。本馬は母方の奥に、父と相性のいいRoyal ChargerとMahmoudの組み合わせから成るLord Avie、Courting Daysを持ち、それらと似た組成のIron Rulerも含んでいるのでおもしろい。大物感を感じさせる好配合馬なので注目してみたい。芝・ダート兼用のマイラー〜中距離タイプ。

ネビュラ(牝 栗東・中内田充正 父ネオユニヴァース、母スプリングレイン)
 スプリングシーズン(父ブライアンズタイム/準OP)、ヴァンガード(父アグネスタキオン/1000万)の半妹。父はネオユニヴァースに替わった。母はMr.Prospector 3×4、Northern Dancer 4×4・5、Buckpasser 4×5などアメリカ血統を主体とする父母相似配合で、これが安定した活力を子に供給する鍵となっている。父ネオユニヴァースはヨーロッパ血統主体のやや鈍重さも感じられる種牡馬なので、こうしたタイプの繁殖牝馬は合う。2頭の兄がそうだったようにダートで本領を発揮しそうだ。距離は万能だろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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