【2歳】
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トーセンペンタゴン(牡 美浦・菅原泰夫 父シンボリクリスエス、母トーセンキャッスル)
母トーセンキャッスルは現役時代にダート1000mで1勝を挙げた下級条件馬だったが、その半姉エアパスカルはチューリップ賞(GIII)の勝ち馬で、半弟カルドブレッサは中山金杯(GIII)で2着となった。2代母ラフィカはブラックタキシード(99年セントライト記念-GII)の全妹。近親に活躍馬が途切れず並んでおり、良質な資質が伝わっていることをうかがわせる。本馬は「シンボリクリスエス×フレンチデピュティ」という組み合わせ。出走5頭中3頭が勝ち上がり、そのなかにはブランネージュ(14年チューリップ賞-GIII・4着)、エクスパーシヴ(13年フラワーC-GIII・4着)が含まれている。芝・ダート兼用のマイラーだろう。
【3歳】
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キングナポレオン(牡 栗東・矢作芳人 父ディープインパクト、母アイルドフランス)
母アイルドフランスはダイヤモンドビコー(重賞4勝)の半姉で、現役時代にミネルヴ賞(仏G3・芝2500m)とヒルズボローH(米G3・芝9f)を制した。本馬の半兄キングレオポルド(父フジキセキ)は朝日杯フューチュリティS(GI)6着などの成績があるが、気性面の難しさを抱えているため、スプリント路線に鞍替えしている。本馬の全兄ライズアゲインは新馬戦で2着となったのが最高成績で、中央未勝利に終わった。「Mr.Prospector+Special牝系(NureyevやSadler's Wellsなど)」という配合のディープインパクト産駒は、ヴィルシーナ、ディープブリランテ、トーセンラー、デニムアンドルビー、パッションダンス、エバーブロッサム、スピルバーグ、ピクシープリンセス、アトムなど多くの活躍馬が出ている。気性の問題がなければマイルから中距離で楽しみな素材だ。
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クリノジパング(牡 美浦・奥平雅士 父フジキセキ、母クリノビャクダン)
3代母エプソムガールの一族は、ツルマルボーイ(04年安田記念-GIなど重賞3勝)、ツルマルガイセン(98年カブトヤマ記念-GIII)、ツルマルガール(94年朝日チャレンジC-GIII)、ツルマルファイター(03年プロキオンS-GIII・2着)などが出ており活力がある。本馬は「フジキセキ×クロフネ」という組み合わせ。クロフネの2代父Deputy Ministerはフジキセキと相性がよく、カネヒキリ、ミラクルレジェンド、デグラーティア、メイケイペガスター、ゴーハンティングなど多くの活躍馬が出ている。芝向きのマイラーだろう。
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スティルバイト(牝 美浦・畠山吉宏 父マツリダゴッホ、母コロンバイト)
半兄メジロニコラス(父サンデーサイレンス)は芝中長距離を得意とし、準OPまで出世した。父マツリダゴッホは現3歳世代が初年度産駒で、昨夏にウインスプラッシュ(13年ききょうS-OP)、ウインマーレライ(13年アスター賞-500万下)など次々と活躍馬を送り出したものの、秋風が吹くころになると勢いがパッタリ止まり、話題に上ることも少なくなった。前出の2頭はいずれもMr.Prospectorを母方に持っていた。本馬の2代母の父はMr.Prospector。成功パターンに当てはまっている。芝向きのマイラー。
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レトロスペクト(牡 美浦・武市康男 父Smarty Jones、母Antique Auction)
2代母オールドスタッフは二冠名牝ベガ(アドマイヤベガ、アドアイヤドン、アドマイヤボスの母)の半姉。母Antique Auctionはアンティークコイン(父Theatrical/準OP)、ドリーミーペガサス(父Fusaichi Pegasus/準OP)、インディアナカーヴ(父A.P.Indy/準OP)の母で、インディアナカーヴはエクセラントカーヴ(13年京成杯オータムH-GIII)の母となった。つまり本馬の姪にあたる。父Smarty Jonesは現役時代、デビュー以来8連勝でケンタッキーダービー(G1)とプリークネスS(G1)の米二冠を制し、三冠確実と言われながら、ベルモントS(G1)で2着に敗れた。種牡馬としてはケイアイガーベラ(11年カペラS-GIII)、ノーブルジュエリー(14年中山牝馬S-GIII・5着)、ベルサリエーレ(準OP)などを出している。本馬は母が21歳時の産駒。この点はマイナスだが、Mr.Prospector 4×3など手堅いスピードを伝える配合なので着実に走ってくるだろう。芝・ダート兼用のマイラー。