レーティングによる出走馬を軽視すると痛い目に遭う?/トレセン発秘話
◆レーティングで出走権を獲得した馬たちの好走歴
G1競走をより充実させるために導入されたのがレーティングによる優先出走権。過去1年のオープン競走で110ポンド(牝馬は106ポンド)以上のレーティングを得た馬の中から上位5頭が優先的に出走できる。
もっとも、このレーティングによって拾われる馬は基本的にG1で掲示板に載った賞金の少ない馬になりがちで、出走を勝ち取った馬に対して風当たりが強くなることも少なくない。
例えば2010年安田記念のファリダット。賞金では登録馬の中で最下位だったが、前年の安田記念3着のレーティングによって見事出走権を獲得。しかしダービー卿CT16着→オーストラリアT4着という臨戦過程から、果たしてこの馬が繰り上がってくるのは妥当なのかという意見が多々あった。
12年ヴィクトリアマイルで条件馬のレインボーダリアが前年エリザベス女王杯5着のレーティングによって繰り上がった時もまたしかり。
しかし、ファリダットはその安田記念で最速上がりを駆使し、勝ち馬ショウワモダンから0秒2差6着としっかり見せ場をつくったし、レインボーダリアも当該ヴィクトリアマイルこそ12着に大敗したものの、秋にはエリザベス女王杯V。GIで高いレーティングを獲得したのはフロックではなかったことを証明している。
高松宮記念もマヤノリュウジンがレーティングで繰り上がり当選を決めているが、格下と見て軽視すると痛い目に遭うかも。というのもレーティングでここに出られることをあらかじめ想定した上で叩き台に阪急杯(8着)を使っているのだ。得意の叩き2走目、そして鞍上には勝負強い池添…昨年のスプリンターズS(3着)の再現があっても驚けない。
(栗東の坂路野郎・高岡功)