【2歳】
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ダズリングダンサー(牝 美浦・小桧山悟 父ダンスインザダーク、母シルクブルームーン)
「ダンスインザダーク×ブライアンズタイム」の組み合わせは菊花賞馬スリーロールス、ファンタジーS(GIII)3着馬アディアフォーンと同じ。2代母ムーンライトグラスはRaise a Native 3×3で、父ダンスインザダークはRaise a Nativeと血統的に相性がいいので好ましい。と同時に、「ダンスインザダーク×ブライアンズタイム」という重めの配合に対するスピード面のサポートとなる役割も期待できる。この時期に馬名登録ができるということは仕上がりが早く、晩成型の懸念はなさそう。近親にこれといった活躍馬はいないが、期待が持てる配合馬だ。
【3歳】
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アゲーラ(牝 栗東・笹田和秀 父キングカメハメハ、母リラコルレオーネ)
母リラコルレオーネは現役時代、牡馬相手に芝2000mの新馬戦を快勝したものの3戦のみで引退。素質の高さは繁殖牝馬として発揮され、初子のシェルビー(父サクラバクシンオー)は馬格に恵まれた好マイラーとなり、直近のレースでは準OPで2着と好走している。キャリアはまだ10戦なのでいずれ重賞戦線にも顔を出してくるものと思われる。本馬の父はキングカメハメハ。同産駒のMr.Prospectorクロスはダート向きに出やすいという傾向がある。本馬もこれを3×5で持っており、ダート中距離路線でOP入りを果たしたクリノヒマラヤオーと配合構成がよく似ているので、仮に芝で芽が出なかったとしてもダート替わりで一変する可能性を秘めている。
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サンバレッスン(牝 栗東・佐々木晶三 父ダイワメジャー、母ボニーアクション)
母ボニーアクションは1勝馬。その半弟にサンライズプリンス(10年ニュージーランドトロフィー-GII)がいる。母の父Cat ThiefはブリーダーズCクラシック(米G1)、スワップスS(米G1)などを制したパワー型の中距離タイプ。2代母の父Wild AgainもブリーダーズCクラシック(米G1)の覇者なので、母ボニーアクションは高いダート適性を伝えるだろう。母方にStorm Catを抱えたダイワメジャー産駒は成功しており、カレンブラックヒル(12年NHKマイルC-GI)、メジャーアスリート(11年全日本2歳優駿-GI・2着)などが出ている。本馬はパワー満点なので後者に近い。ダート向きのマイラー。
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スプリングキセキ(牡 美浦・堀宣行 父フジキセキ、母スプリングドリュー)
母スプリングドリューは芝の中距離でしぶとく出世し、福島牝馬S(GIII)を勝った。父フジキセキはMr.Prospectorを抱えた繁殖牝馬と好相性を示している。ノーザンテーストを併せ持つパターンはタガノエクリプス、コルポディヴェント、ワーキングウーマンのようにダート向きに出る傾向が見られるものの、本馬は母が芝の重賞ウィナーなので芝もOKだろう。スタミナに恵まれたタイプなのでフジキセキ産駒にしては長い距離でも頑張れるタイプ。芝1800〜2000mがベストで、芝2400mまで守備範囲。
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マザーズデイ(牝 栗東・安田隆行 父サクラバクシンオー、母ネガノ)
セントウルS(GII)など重賞3勝の全兄ダッシャーゴーゴー(父サクラバクシンオー)を筆頭に、出走した6頭の兄姉はすべて2勝以上を挙げている。母ネガノは繁殖牝馬としてきわめて能力が高い。Mr.ProspectorのスピードをRibot系の持続力で支えており、底力を帯びた優れたスピードを伝えている。本馬は性別こそ牝馬だが、全兄ダッシャーゴーゴーと同様に優秀なスプリンターに成長するだろう。前述のとおり兄姉は1頭のハズレもなく2勝以上を挙げており、ダッシャーと同じ安田隆行厩舎に入厩するので信頼性が高い。