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洋芝や渋った芝で本領を発揮するアロハカウボーイ

  • 2014年04月16日(水) 12時00分
【2歳】
アロハカウボーイ(牡 栗東・村山明 父キングカメハメハ、母ペニーブラック)
 京成杯(GIII)で3着となったアドマイヤブルーの4分の3同血(父が同じで母同士が親子)。母の父にオーストラリアでリーディングサイアーとなったスピード型の種牡馬Redoute's Choiceが入るので、距離適性はやや短めとなり、マイル前後が合うだろう。ピッチ走法から繰り出すパワーを帯びたスピードが武器で、洋芝や渋った芝を得意とするはず。Assertを抱えた繁殖牝馬にキングカメハメハを掛け合わせると、「ラストタイクーン≒Assert」という相似な血のクロスが生じる。JRAで走った7頭から前出のアドマイヤブルー、カペラS(GIII)3着のシセイオウジが出ているので悪くない。仕上がりも早いと思われるので、夏の北海道シリーズに出てきたら狙ってみたい馬だ。

エスティエッキー(牝 美浦・成島英春 父トーセンファントム、母トーセンエキコ)
 父トーセンファントムは新馬−OP特別を連勝し、東京スポーツ杯2歳S(GIII)ではローズキングダムのアタマ差2着だった素質馬。「ネオユニヴァース×トニービン×ノーザンテースト」はネオヴァンドーム(10年きさらぎ賞-GIII)、ジョーメテオ(13年オーバルスプリント-Jpn3・3着)と同じ。今年の2歳世代が初年度産駒となる。母トーセンエキコは現役時代1勝馬。母の父ジェイドロバリーはMr.Prospector系のスピードタイプで、父トーセンファントムはそのあたりが弱点となりそうなタイプだけに、スピードと早熟性のサポート役としては悪くない。それに加えて本馬はCaro 5×4という柔らかなクロスを持つ。血統的には地味ながら全体の構成は悪くない。馬体が良ければ早期に1勝を挙げられる。

ダイゴサクラ(牝 栗東・坂口正則 父メイショウボーラー、母タガノブルードレス)
 母タガノブルードレスは6戦2勝、勝ち鞍はダートのみだが、アネモネS(OP)で4着と健闘しており、芝適性もそれなりにあった。In Reality 4×3で、Buckpasserが入り、父がサンデー系のフジキセキと、いかにも仕上がりの早そうなパワー兼備のスピードタイプだった。父メイショウボーラー(父タイキシャトル)はレコードタイムで完勝したフェブラリーS(GI)をはじめ、芝・ダートを問わず5つの重賞を制したスピード馬。タガノブルードレスとの組み合わせではHalo 4×4が生じるが、全体的に見るとパワーが優っている印象で、マイル以下のダートが主戦場となりそうだ。

トーセンリバティ(牡 美浦・上原博之 父トーセンファントム、母ニシノニチリン)
 母ニシノニチリンは3勝を挙げて最終的には1000万条件で走った。母の父メジロマックイーンは、父ステイゴールドとの組み合わせでオルフェーヴル、ドリームジャーニー、ゴールドシップ、フェイトフルウォーといった重賞勝ち馬を次々に送り出したが、異系かつ良質なステイヤー血統なので、基本的に母の父としての成績が優れており、最近ではフーラブライド、タイセイレジェンドのブルードメアサイアーとなっている。父トーセンファントムは新馬−OP特別を連勝し、東京スポーツ杯2歳S(GIII)ではローズキングダムのアタマ差2着だった素質馬。現2歳世代が初年度産駒だけにどんな産駒を出すか興味が尽きないが、手堅くスピードを伝えられるようなら、底力にあふれる配合だけに大物に成長する可能性もある。

【3歳】
ショウナンバッハ(牡 栗東・矢作芳人 父ステイゴールド、母シュガーハート)
 従兄弟のアドマイヤフライトは日経新春杯(GII)で2着の成績がある。同馬は「マンハッタンカフェ×トニービン」で、本馬は「ステイゴールド×サクラバクシンオー」なので、2代母オトメゴコロが共通しているといっても競走馬のタイプはまったく違う。ドリームジャーニーとオルフェーヴルの兄弟と同じくノーザンテーストのクロスを持つステイゴールド産駒。2代母の父はジャッジアンジェルーチなので、配合全体を眺めると硬さを感じさせる。ステイゴールドはむしろこうした配合から良駒を出す傾向が見られる。芝向きのマイラーだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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