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王者復活の大きな意味

  • 2003年11月05日(水) 10時58分
 この秋の競馬のすじ道が、一本はっきりしました。シンボリクリスエスの天皇賞の勝利は、それだけ大きなものがありました。ジャパンCから有馬記念と、年内の残る2戦がクリスエスの現役最後のレースです。あらゆる懸念を吹き飛ばしたあの快走から、このまま一気に突っ走る予感すらします。

 秋のチャンピオンロードは、一番の難関とみられる2000mを勝たないことには始まりません。どんな策も通用しないあの2000mを乗り切ったことで、クリスエスが得たものは大きく、来春からの種牡馬生活に、明るい材料を提供することになりました。

 それと、この一年の競馬にも、大きなものを残す可能性を与えました。

 秋の天皇賞が2000mになったのは、日本の強い馬作りの為に創設されたジャパンCとの関係を無視しては考えられません。

 世界の強豪に伍して互角に日本馬が戦うことが、日本馬の評価を上げる効果を生むのは間違いなく、その裏づけとして、スピードの強化が大きな要素です。2000mを圧倒的な強さで乗り切り、ジャパンCで世界を迎え撃つ、これが日常化するのが日本の競馬の夢でした。

 これまで、スペシャルウィークが秋の天皇賞からジャパンCと戦い、勝ち抜いたことがありました。しかし、有馬記念でグラスワンダーに痛恨の敗戦を喫し、その年のチャンピオンの座を逃しました。ダービー馬のこの活躍は、十分に賞賛されるべきものでしたが、シンボリクリスエスの場合は、もしかしたらそれを上回るケースとなるかもしれません。何と言っても、クリスエスは昨年の年度代表馬、その馬がこの秋のチャンピオンロードで堂々と王道の中心にあるのです。

 それと、昨年の中山ではなく、東京であるジャパンCなら、力と力とのぶつかり合いになるのは間違いなく、今から、その大一番が楽しみになりました。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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