【2歳】
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コンフェッシオン(牝 栗東・中竹和也 父ダイワメジャー、母ストールンハート)
母ストールンハートは現役時代、牝馬ながら南米のチリダービー(芝2400m)を制した女傑で、チリ3歳牝馬チャンピオンに輝いた。「Stuka×Stagecraft」は、09年のチリ年度代表馬Last Impactやその全弟でチリダービー馬Amor de Pobreなど、7頭のG1馬が出現している底力あふれるニックス。パララサルー(12年アネモネS-OP、12年紫苑S-OP)の母タンタスエルテもこの組み合わせから誕生している。ストールンハートも繁殖牝馬として期待できるだろう。母方にボールドラッドを持つダイワメジャー産駒にはエピセアローム、オリービンなどがおり相性がいい。本馬はその全弟Successorを持つ。また、Caerleonを持つダイワメジャー産駒もコパノリチャード、ゴールデンナンバー、ダイワストリームなどこのところ活躍が目に付く。代は遠いもののHalo≒Sir Ivor 3×6も見逃せない。Sir Ivorは父とニックスの関係にあるDroneと相似な血で、京王杯スプリングC(GII)を勝ったダイワマッジョーレがこの配合から誕生している。底力あふれる芝向きのマイラーだろう。
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シェーンハイト(牝 美浦・斎藤誠 父バゴ、母ヴァイスハイト)
母ヴァイスハイトは2勝馬で、そのきょうだいにランフォルセ(13年浦和記念-Jpn2など重賞4勝)、ノーザンリバー(13年カペラS-GIIIなど重賞3勝)、モンローブロンド(04年ファンタジーS-GIII・2着)、ノットアローン(08年ラジオNIKKEI賞-GIII・2着)、ルミナスポイント(OP)がいる。ダービー馬ロジユニヴァースの叔母でもある。2代母Sonic Ladyは現役時代にヨーロッパで名マイラーとして活躍した。本馬の半姉ロスヴァイセ(父シンボリクリスエス)は芝で5戦して勝てなかったが、ダートに鞍替えした途端2連勝でOP入りを果たした。本馬の父バゴは現役時代に凱旋門賞を勝ち、種牡馬としては菊花賞馬ビッグウィーク、フラワーC(GIII)を勝ち桜花賞(GI)で2着となったオウケンサクラなどを出している。決め手に乏しくスピードにも欠けるので、ダートに活路を見出す子も少なくない。本馬はMoonlight's Box≒ソニンク2×2という強烈なクロスを持つ。特殊な配合だけに繁殖牝馬としてはおもしろいだろう。競走馬としてはスピード面が鍵となる。ダートの中距離タイプ。
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シラユキ(牝 栗東・高野友和 父クロフネ、母アドマイヤフッキー)
母アドマイヤフッキーは芝・ダート兼用で、短距離ばかり3勝を挙げた。リアルインパクト(11年安田記念-GI、13年阪神C-GII)の半姉、アイルラヴァゲイン(07年オーシャンS-GIII)の半妹にあたる良血。本馬はHold Your Peace 4×4というユニークなクロスを持つ。これはフレンチデピュティとサンデーサイレンスを結び付ける急所を含んだ血なのでおもしろい。過去、クロフネ産駒のこのクロス馬は2頭デビューし、1頭が1000万条件に出世している(トーホウペガサス)。Deputy Ministerとフジキセキのニックスもあるので期待できる。ダート短距離で着実に稼ぎそうだ。母にIn Reality 4×3があり仕上がりは早い。
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ディープフォルツァ(牡 栗東・安田隆行 父ディープインパクト、母チナンデガ)
母チナンデガはレゼルヴォワール賞(仏G3・芝1600m)の勝ち馬。繁殖牝馬としては日本でこれまでに3頭の子を送り出しており、すべて勝ち上がっている。本馬はそれらの4分の3弟で、父はディープインパクト。種牡馬の格、配合構成とも兄姉3頭を上回るので楽しみな存在だ。母方にラストタイクーンを持つディープインパクト産駒は成功しており、桜花賞馬マルセリーナ、重賞2勝でジャパンCでも2着に食い込んだデニムアンドルビー、富士Sで2着となったファイナルフォームなどが出ている。母の父チチカステナンゴには父と相性抜群のVaguely Nobleが含まれている。トーセンラー、カミノタサハラ、レッドオーヴァルをはじめ多くの活躍馬がこのパターンから誕生している。そして、母はNorthern Dancer 4・5×5。Northern Dancerの影響が強い繁殖牝馬はディープインパクトに合う。さほど配合が合っているとは思えない種牡馬との間にもしっかりと勝ち馬を出す母は繁殖牝馬として悪くなく、ディープインパクトとの組み合わせならハイレベルな産駒が望める。
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ヘイジーブロンド(牝 美浦・斎藤誠 父フレンチデピュティ、母マッチザピース)
母マッチザピースはJRA2勝馬。その全弟にパープルエビス(00年スプリングS-GII・2着)、半弟にトウカイポイント(02年マイルチャンピオンシップ-GI)がいる良血で、近親にはトランスワープ(12年函館記念-GIII、12年新潟記念-GIII)がいる。本馬の全兄マッチレスバローは共同通信杯(GIII)3着馬。母は高い能力と同時に体質の弱さを伝え、マッチレスバローも休み休み使われる形で2歳から6歳まで12走しかできなかった。それでもこの兄弟のなかでは頑張ったほうだった。本馬も順調に走れるどうかがまず問題で、それがクリアできれば重賞戦線での活躍が見えてくる。芝向きのマイラー。