ミッキーアイルが5連勝で3歳マイル王に輝くか NHKマイルC(GI)
※本日は京都新聞杯、新潟大賞典の見どころも更新しております。下部のバックナンバーよりご覧ください。
3歳マイル王決定戦のNHKマイルカップ。今年の主役はミッキーアイルだろう。現在4連勝でその内重賞が2つと優勝に最も近い存在だ。5連勝でGI制覇となるか。それともニュージーランドTでワンツーを決めたショウナン2騎、桜花賞4着のホウライアキコなどがそれを食い止めるか。出走を予定している主な有力馬は次の通り。
ミッキーアイル(牡3、栗東・音無秀孝厩舎)は新馬戦こそ直線でフラフラする場面があってアトムの末脚に屈したが、スピードを生かす形をとった2走目で1分32秒3という驚異的なレコードで勝ち上がると、そこからひいらぎ賞、シンザン記念、アーリントンCと破竹の4連勝。競り込まれた時にどういう競馬ができるかだが、スピードはこの世代では一枚も二枚も抜けている印象。5連勝での戴冠は目の前だ。
ショウナンアチーヴ(牡3、美浦・国枝栄厩舎)は朝日杯FS2着、ニュージーランドT優勝と実績ではミッキーアイルに引けを取らない。末脚がしっかりしたタイプで、東京コースはもちろん適性が高い条件だし、中山コースで好走したようにパワーも兼ね揃えている。ミッキーアイルの連勝をストップさせるのに一番近い存在はこの馬だろう。
ショウナンワダチ(牡3、美浦・大竹正博厩舎)は新馬、ベゴニア賞と東京コースで2連勝。朝日杯FSでは6着、距離が延びた共同通信杯で8着と結果を残せなかったが、前走のニュージーランドTではショウナンアチーヴに僅差の2着と、改めて力のあるところを見せた。東京のマイルはベストの舞台で、確かな末脚で上位争いに食い込む。
ホウライアキコ(牝3、栗東・南井克巳厩舎)は仕上がり途上だったフィリーズレビューでは5着に敗れるも、馬体が良化した桜花賞では4着と健闘した。デイリー杯2歳Sの内容から牡馬相手でも十分戦える力を持っているし、2007年ピンクカメオ以来の牝馬による制覇がなるか。
その他、スプリングSを制しているロサギガンティア(牡3、美浦・藤沢和雄厩舎)、前走で改めて力のあるところを示したエイシンブルズアイ(牡3、栗東・野中賢二厩舎)、マイルに照準を向けたキングズオブザサン(牡3、栗東・荒川義之厩舎)、短距離路線で堅実に好走するサトノルパン(牡3、栗東・村山明厩舎)、休み明けも力上位のアトム(牡3、栗東・池江泰寿厩舎)なども上位争いの可能性十分。発走は15時40分。
【データ分析/過去10年】
人気…1人気は[5-1-0-4]と優秀だが、2人気は[1-1-0-8]と不振。3人気[1-2-2-5]の複勝率が高く、穴っぽいところでは10人気が[2-1-0-7]と勝ち馬2頭出している。
前走レース…勝ち馬数はニュージーランドT組が[5-2-3-58]と多いが、出走頭数も多く勝率は7.4%、連対率10.3%と低い。高いのは毎日杯組の[3-1-0-4]勝率37.5%、連対率50%と桜花賞組の[2-1-0-4]勝率28.6%、連対率42.9%。なお人気が予想されるミッキーアイルの前走、アーリントンC組は[0-0-0-1](2012年のジャスタウェイ、4人気・7着)と出走数自体が少ない。
前走距離…前走がマイル戦だった馬は[7-3-3-72]勝率8.2%、複勝率15.3%とあまり高くない。高いのは前走1800m[2-3-0-10]勝率13.3%、複勝率33.3%、2000m[1-3-4-26]連対率11.8%、複勝率23.5%と距離短縮で本番に挑む馬の方が好成績を挙げている。
脚質…4角先頭の馬は[1-0-0-9]と不振で、勝ったのは2012年のカレンブラックヒルだけ。その逃げ馬の後ろに付けている2番手も[1-0-0-15]と不振。なお、連対率、複勝率が高いのは3〜6番手で[2-7-3-30]連対率21.4%、複勝率28.6%。ちなみに2003年馬場改修後の東京・芝1600mの重賞で4角先頭の馬が勝ったのも前述のカレンブラックヒルだけ。
◆ミッキーアイル
・陣営コメント/音無調教師
「前走(アーリントンC1着)は期待どおりの強い内容。レース後は放牧に出してここを目標に調整してきました。あまり詰めてレースを使うとテンションが上がってしまうタイプなのでローテーションに余裕を持たせましたが、馬体もふっくらして戻ってきてくれて調整しやすいし、ここまでは順調そのもの。ひと息入れた後でもいい仕上がりで臨めそうです」
・一週前調教診断/井内利彰