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【祐一History vol.1】『父・洋一の落馬事故、福永一家の変化と団結』

  • 2014年05月13日(火) 18時00分
祐言実行


■“洋一・祐一”親子を支え続けた祖父の偉大さ

 競馬ファンなら誰もが知っているであろう福永洋一。落馬事故で騎手生命が断たれて35年の月日が経つが、2010年から高知競馬場で毎年開催している「福永洋一記念」には、今もなおたくさんのファンが会いにきてくれて、帰り際にはいつも「洋一、また来年も来いよ!」「洋一、待ってるからな!」という温かい声援をたくさんいただく。息子として、そんなファンのみなさんに感謝するとともに、改めて父親の偉大さを感じる瞬間でもある。

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第5回福永洋一記念のポスター


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福永洋一記念を勝ったエプソムアーロン関係者の表彰式


 父親が事故に遭ったのは、自分が2歳のときだ。当たり前だけど、当時の記憶はまったくない。物心がついたときには母方の祖父と祖母が一緒に住んでいて、祖父が母親と一緒に父親のリハビリに専念しているあいだ、祖母が自分と妹の面倒を看てくれていた。たしかに父親は介護が必要な状態だったけれど、自分にとってはそれが普通の生活だったから、取り立てて寂しい思いをした覚えもなければ、周りの子と比べて自分の環境が特別だと感じたこともなかった。

 でも、今ならわかる。自分たちにそう感じさせないような環境を、周りの大人たちが必死になって作ってくれていたんだなと。その点においては、やはり祖父母の存在が大きい。その祖父母は、父親にとっては義理の両親だ。もともとは、都内でお弁当屋さんを営んでいたらしいんだけど、父親の事故をきっかけに、都内の家を引き払って栗東にきてくれたのだ。祖父は自分の息子以上といっていいほど父親を溺愛していて、幼心にもそれは十分に伝わってきた。

 祖母は物静かな優しい人で、祖父は多趣味のかっこいい人だった。そんな祖父は自分にとって本当に大きな存在で、いろんな部分で今につながる影響を受けている。中学生のとき、初めてできた

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祐言実行 / 福永祐一
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祐言実行とは
2013年にJRA賞最多勝利騎手に輝き、日本競馬界を牽引する福永祐一。まだまだ戦の途中ではあるが、有言実行を体現してきた彼には語り継ぐべきことがある。ジョッキー目線のレース回顧『ユーイチの眼』や『今月の喜怒哀楽』『ユーザー質問』など、盛りだくさんの内容をお届け。

1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。

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