●
コウエイナデシコ(牝 栗東・山内研二 父ステイゴールド、母ケイアイエリザベス)
セイカプリコーン(現OP)、コウエイタケル(14年マーガレットS-OP・4着)の全妹。「ステイゴールド×フレンチデピュティ」は過去6頭がデビューして5頭が勝ち上がり、うち3頭は2勝以上を挙げるという相性の良さ。母方には父と相性のいいNijinsky、Shantungが入る。兄セイカプリコーンは芝向きのスピードがなかったためダートに転じたが、決して芝をこなせない配合ではなく、もう1頭の兄コウエイタケルはOPクラスで上位争いをしている。本馬は牝なので芝向きのマイラーだろう。
●
スズカプリウス(牝 栗東・藤沢則雄 父スズカフェニックス、母スズカプラチナ)
父スズカフェニックスは現役時代に高松宮記念(GI)、阪神C(GII)、東京新聞杯(GIII)を勝ったサンデー産駒の一流馬。種牡馬としては繁殖牝馬に恵まれているとはいえず、勝馬率は12.5%と低いものの、良血だけに一発大物を出す能力には長けており、初年度産駒からマイネルホウオウ(13年NHKマイルC-GI)、2年目の産駒からウインフェニックス(14年ニュージーランドT-GII・5着)を送り出した。本馬は「スズカフェニックス×フレンチデピュティ」なのでマイネルホウオウと同じ組み合わせ。キーンランドC(GIII)を勝ったチアフルスマイルとは血統構成の半分が同じなので、おそらくマイル以下で活躍するスピードタイプとなるだろう。
●
スズカマドンナ(牝 栗東・橋田満 父ディープインパクト、母スズカローズマリー)
母スズカローズマリーはスズカフェニックス(07年高松宮記念-GI、07年阪神C-GII、07年東京新聞杯-GIII)の半妹で、現役時代にダート短距離で2勝を挙げた。スズカフェニックスはサンデーサイレンス産駒なので、本馬と配合構成の50%が同じ。2代母ローズオブスズカはシンコウキング(97年高松宮記念-GI、97年香港ボウル-G2・3着)の全妹で、Northern Dancer 2×3という強いクロスを持っている。父ディープインパクトはNorthern Dancerの濃度が高い繁殖牝馬と好相性を示しており、また、Mr.ProspectorとSpecial牝系のNorthern Dancer系(Fairy King)を併せ持つ配合も典型的な成功パターンなので好ましい。桜花賞を狙えるスピードタイプだろう
●
ワインシャワー(牡 美浦・田村康仁 父ヨハネスブルグ、母クイックメール)
現役時代に準OPまで出世した母クイックメールはタニノマティーニ(08年キーンランドC-GIII)の半妹でNijinsky 4×4。父の直系先祖Storm BirdはNijinskyと相似な血なので、本馬はStorm Bird≒Nijinsky 4×5・5となる。父ヨハネスブルグの代表産駒の1頭タガノブルグ(14年NHKマイルC-GI・2着)は母の父がスペシャルウィークで、本馬の母の父タイキシャトルと血統構成が似ている。芝向きの素軽さが感じられる好配合馬で、仕上がりが早く、夏のローカルからガンガン走ってくるだろう。距離は1200mがベスト。
●
シウダニーニャ(牝 栗東・森秀行 父Leroidesanimaux、母Starinthemeadow)
昨年9月、米キーンランドのイヤリングセールにおいて40万ドル(約4000万円)で落札された。父Leroidesanimauxはブラジルで生まれ、のちにアメリカへ渡って芝牡馬チャンピオンに輝いた。種牡馬としてもAnimal Kingdom(11年ケンタッキーダービー-米G1、13年ドバイワールドC-首G1)を出している。同じくキーンランドのセリで買われて日本に入ったLeroidesanimaux産駒に、芝・ダート兼用タイプでOPクラスまで出世したアーリーデイズがいる。母Starinthemeadowはすでに繁殖牝馬として結果を出しており、デルマーデビュータントS(米G1・AW7f)を勝ちブリーダーズCジュヴェナイルフィリーズ(米G1・ダ8.5f)で3着となったWeemissfrankie(父Sunriver)を産んでいる。母はEight Thirty 4×4でMeadowlakeを父に持つダート向きの快速タイプなので、本馬もマイル以下のダートを得意とするだろう。ダート交流重賞で荒稼ぎするタイプ。
●
トウショウピスト(牡 美浦・戸田博文 父ヨハネスブルグ、母シーイズトウショウ)
母シーイズトウショウはサクラバクシンオーの代表産駒の1頭で、現役時代にCBC賞(GII)など重賞を5勝した名スプリンター。初子のスサーナトウショウ(父ロックオブジブラルタル)は11戦未勝利、2番子のヒアーズトウショウ(父フジキセキ)は1戦未勝利(18頭立ての未勝利戦で17着)と、これまでに送り出した産駒はまったくいいところがない。母シーイズトウショウはサクラバクシンオーとNijinskyのニックスを持ち、本馬の父ヨハネスブルグはStorm Bird≒Nijinsky 3×5なので、母のニックスを強調する好配合。1400m前後に合いそうなスピードタイプで、上2頭とは違ったテイストを期待したい。