▲今年初戦を勝利で飾った東京新聞杯(撮影:下野雄規)
東京競馬場のマイル戦では絶対的な強さを見せるホエールキャプチャ。今年初戦となった東京新聞杯でも、8番人気という低評価を覆して牡馬相手に快勝し、東京の1600m、3勝目を挙げた。東京新聞杯後は、ヴィクトリアMに照準を合わせて調整を行ってきた同馬の、東京マイルでの強さの秘密、そして現在の状態、6歳で迎える今年のヴィクトリアMに向けての意気込みを、担当の長谷川健彦調教厩務員に語ってもらった。(取材・文・写真:佐々木祥恵)
◆東京マイル好成績の理由 大雪の影響で1週延期となった東京新聞杯では、あまり実績のない重馬場をものともせず、直線で力強く抜け出してきて牡馬たちを尻目に楽々とゴールした。
「1週延びる前は、斤量も背負いますし、使った後の反動も考えて目一杯に仕上げなくても良いかなとも考えていましたが、結果的に1週延びて乗り込めたのは良かったと思います。関西馬には輸送の不利がありましたし、1週前に確定した時は外枠だったのが、2回目は真ん中(4枠7番)になったりと、この馬にとっては良い条件が重なりました。うまくいく時はこんなものなのかなとは思いましたけど、競馬自体は強かったですね」と長谷川調教厩務員は、前走を振り返る。
東京新聞杯の勝利で東京のマイル戦では4戦3勝2着1回となったわけだが、なぜこの条件でホエールキャプチャは好走するのだろうか?
▲2年前に制したヴィクトリアM(撮影:下野雄規)
「阪神JFや桜花賞でも2着に来ているように、マイル自体がまず合っているのでしょう。東京コースに関しては、個人的には左回りというより、当日輸送が良いのかなと思っているんですよね。遠征先の競馬場で1泊してからレースに臨むのがダメというわけではないのですが、当日に競馬場に輸送して、気持ちが入ってそのままレースに向かった方が良いようです。阪神JFや桜花賞の時も、栗東に滞在していて阪神への当日輸送でしたからね」と東京マイル得意の理由を分析した。
さらに驚いたのは、競馬場に着いた後、馬体に変化があるという事実だ。