◆松田博師の「“変わりない”のがいちばん」を痛感した1日 21日水曜日は実にめまぐるしい一日でした。この日の栗東は午前中が雨予報。前夜、そのつもりで床に就きましたが…夜中3時、激しい雨風の音に起こされました(苦笑)。そのまま、うつらうつら寝られず、調教の時間に。救いは午前6時、調教が始まるタイミングには青い空が見えるほど天気は回復したことでした。当然ながら、馬場は相当重かったのですが、それでも雨風がなかったのは追い切りをする馬たちにとっても我々人間にとっても救いでした。
朝一番はハープスターのオークス直前追い切りでした。実に見事な追い切り!既報のとおり、実にいい動きでした。これには松田博師も満足していた様子でしたが、そんな中、心にひとつひっかかることが…。
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ハープスターは順調
それは、ハープスターの全兄・ピュアソウルの容態でした。ピュアソウルはこの連載でも何度か取り上げたことがありますね。入ったばかりのころは尾っぽが何故か短かった。小柄だけど根性のあるヤツでした。
そのピュアソウルは先週の月曜から腹痛で入院していたのです。あまり良くならず、その週に開腹手術も行われました。その間、松田博師をはじめ陣営はしきりにピュアソウルの容態を心配していたのですが…。ちょうどハープスターが追い切りで素晴らしい走りを見せていたころ、ピュアソウルは亡くなりました。
松田師がピュアソウルの死を知らされたのは午前7時ごろ。ひどく心を傷めていたのは一目瞭然でした。それからしばらく時間が過ぎて…午前8時ごろでしょうか。今度はサングレアルが追い切り前の運動を始めました。
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ハープスターの全兄・ピュアソウル
いつまでも塞いでいるわけにはいきません。松田博師は「兄の分まで…」と唇を噛み、サングレアルの調教の準備にとりかかったのでした。
午前8時半、気を取り直して挑んだサングレアルの追い切り。こちらは数字的には素晴らしいのですが、予定ではもっと軽めの調整が行われるはずだったので…。松田博師、困っていましたが。翌日もサングレアルはへこたれることなく「大丈夫」な様子だったので。最終的にはホッとしていました。
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サングレアルも「大丈夫」な様子
振り返るとこの水曜日はホント、いろんなことがありすぎました。松田博師はいつも「“変わりない”のがいちばん」といいますが、それをしみじみ実感させられる一日でした。ともあれ、ハープスターの状態は万全。二冠達成に向けて視界は良好です。天国にいるお兄ちゃん、妹をしっかり見守っていてくださいね。
シゲルスダチは今週、シドニーTに出走しますね。小柄で根性があるというのはピュアソウルと被ります。実績のある1200m戦は歓迎材料。渡辺助手も「追い切りではここ最近の中でもかなりいい手ごたえがあった」といいますし、やっぱり期待しちゃいます。
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シドニーTに出走するシゲルスダチ