◆枠に収まり切らない可能性「順調に来ていることが何より」
ダービーに向けてコメントを求められると、蛯名はこう答える。ダービーに向けての最終追い切り後もやはり、「順調なのが何よりです」と答えていた。それは追い切り後に馬上から見せた笑顔からも、窺い知ることができた。
「先週はピリピリしていましたけど、今週は落ち着いていましたね。これまでは他の馬と併せてそこから抜け出すという形でしたが、今日(5/28)は最後併せた相手とピッタリ馬体を併せるという追い切りにしました。稽古でいろいろなことを経験させたいというのもありましたしね」
蛯名が言う通り「順調に来ている」イスラボニータだが、同馬が皐月賞を制するまでは、フジキセキの産駒は、芝では1600m以下の距離でのGI勝ち馬しか出していなかったために、距離不安が取り沙汰されている。また母父がコジーンというのも、距離不安を増幅させる要因ともなっていた。
しかし、蛯名は「気にしてもどうにもならない」というスタンスだ。そして、血統による距離不安を、競馬の持つ魅力に結びつけた。