◆京成杯での大敗が転機に 1994年のデビュー以来、大久保洋吉厩舎に所属し続けている吉田豊騎手にとって、今回が師匠とともに挑む最後のダービーとなる。その大一番で厩舎縁の血統のショウナンラグーンで臨むというのは、格別な思いがあるはずだ。
デビュー時のラグーンは、まだ幼さがあった。「まだ力がなくて、ゆるい馬だなというのが最初に跨った時の印象でしたけど、柔らか味はありましたので、しっかりすれば良くなりそうだなとは思っていました。ただ何かあるとパニックになったりしていたので、無事に使えるかな? と不安もありましたが、8月の函館で無事デビューできました」
「デビュー戦(7着)の後はトモが疲れて放牧に出ました。厩舎に戻ってきてからは子供っぽいことをやらなくなってきて、乗り手の指示にも従うようになってきましたし、調教でも動くようになってきてくれましたね。そういう意味では、だいぶ大人になってきたのかなとは思いました」
ほんの数か月で、ラグーンは心身ともに成長を見せて、12月の未勝利戦で初勝利を挙げた。「どのくらいやれるかなと思ったのですが、すんなり勝ってくれましたから、その後も思ったよりも使い詰めにならなくて良かったと思います」
未勝利戦を勝ってすぐ重賞に臨んだのも期待のあらわれだっただろうが、そこでは思わぬ大敗を喫してしまう。
「2戦目がある程度の位置につけて勝ったので、京成杯でも良い位置でレースをしようと思ったら、他の馬にこすられて掛かってしまって