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穴馬の激走必至のマーメイドSを分析!

  • 2014年06月13日(金) 18時00分
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◆「迷ったら人気の無いほう」

 マーメイドSは以前の別定戦からハンデ戦に替わり、ぐっと波乱度が増した。古牝馬のハンデ重賞というと中山牝馬Sや愛知杯もあるが、あちらも荒れやすいレース。ハンデG3に出るような牝馬は力量差が小さく、ちょっとしたことで順位が変動しやすいのかもしれない。

 各馬の評価をするときには普通にするしかないが、皆さんが馬券を買う際には「迷ったら人気の無いほう」くらいの発想でいいかもしれない。

 各馬についてのコメントは、netkeiba予想オッズ上位馬を対象にしていこう。

 フーラブライドは重賞2勝で、牡馬相手のG2でも好走。今回のメンバー中ではどう考えても格上なのだが、勝った重賞はいずれも牝馬限定ハンデ重賞で、当時の斤量が50キロ→53キロ。今回56キロで負けたら「やっぱり」となる面もある。中京と中山で活躍して他場、というのも人気になることを考えるとプラスではない。これが京都なら絶対買えないところだし、阪神でもちょっと立ち止まって考えたいところではある。

 ディアデラマドレは血統ゆえにまだ潜在能力が隠れているという期待感と、血統で人気になりすぎるというマイナス面の両方がある。とにかく決め手のある馬でそれが生きれば重賞でも勝負にはなる。ただこれまでの良績は外回りコースでのものなので、内回り+ハイペースになったときはちょっと怖い。

 アイスフォーリスはまだ条件馬の身だが重賞好走歴もあり、52キロはお得感もある。こちらはディアデラマドレと違ってある程度上がりがかかったほうがよいタイプだったが、前走の東京は以前と全く違う競馬をして上がり勝負を制した。本格化したがゆえのものだとしたらここでも面白い。

 シャトーブランジュは天気次第というところ。馬場が渋れば無条件に買っていい馬だが、天気予報を見る限りそれほど降ることはなさそうだ。前走は減った体重を一気に戻したが戻しすぎた感もあり、今回少しマイナスで調整してくることも評価するうえでの前提条件になる。

 ブリッジクライムは確実にある程度は伸びてくる馬で、クラスと結果はあまり相関しない。よって人気がなければ試してみてもいいのだが、今回はある程度売れてしまいそうだ。脚質のわりに内回りコースや小回りの競馬場も苦にしない馬。自分で競馬を主体的に作れるタイプではないので、あくまで展開待ちというところ。

 サトノジュピターは福島牝馬Sではじめての大敗を喫したが、4角1~3番手が少し入れ替わって1~3着馬になったレースで4角14番手ではどうにもならない。当時4番人気で今回はそれよりは人気落ちだろうから、馬券的には買うべきタイミングかと思う。

 以上人気上位になりそうな馬から6頭挙げたが、ここで触れきれない穴馬がなにかしら激走してくることは必至。馬券を組むときはとにかく「迷ったら人気薄」だ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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