スマートフォン版へ

函館スプリントSを予想するポイント

  • 2014年06月20日(金) 18時00分


◆ストレイトガールの単勝が怖い理由

 函館スプリントSをはじめとするサマースプリントシリーズは牝馬が強いことで有名だが、最近はファンもその前提で馬券を買っているので、結局は牝馬の中でどの馬が力量・適性に勝るのかということが予想のポイントとなる。

 今回圧倒的な1番人気になるのはストレイトガールだろう。シルクロードSでは1分7秒台前半の競馬にも対応したが、もともと売り出したのは昨年の函館だし、中京にも強いあたり、時計のかかる馬場のほうが向くのだろう。そういう意味でここは最高の条件だ。

 問題があるとしたらはじめて背負ううえに他馬と相対的に比べて厳しい56キロと、最近は以前より後ろから競馬をしている点。差し遅れて2着、というようなケースを考えると単勝に突っ込むのはちょっと怖い気もする。

 昨年の3着馬フォーエバーマークは同じコースで行われたキーンランドCに勝っているし、ファルブラヴ産駒はとにかくこのコースと好相性。前に行ける脚質もこのレースには合っている。斤量は昨年より1キロ重い55キロだが、こちらは55.5キロも経験があるので大きなリスクにはならないように思う。

 スマートオリオンは馬券的な関心をそそられる1頭。ある程度良い位置も取れるし、「時計がかからないと始まらないスプリンター」というのもこのレースでは面白い。ただ、昨年の函館で好走したのがかなり馬場が悪くなってからだったのと、重賞勝ちも特殊な馬場だった中山でのものなので、そこの解釈が微妙。雨が降るとぐっと有力度が増すが、「このコースにしては速い決着だった」となると、意外に奮わない可能性もある。

 クリスマスは50キロという斤量と、丸田騎手というのはプラス材料。ただJRA育成馬には早熟タイプも多いし、一時期状態を崩していたところから適性があまり無いオークスを使ったことが過程としては芳しくない。ここで結果が出ないようだと、この後も苦戦が続くかもしれない。

 セイコーライコウは上がり馬としての魅力があるし、過去の実績はないものの馬のタイプとしては函館に合いそうではある。ただ脚質を考えるとストレイトガールに先着するのはなかなか難しい。1着を取るためにはいつもより前で競馬をする必要がある。

 ローブティサージュははじめての距離となる1200mを試してきた。このような番組選択は劇的に機能するかさらに大きくハマるかの両極端に出がちなもの。今回さほど人気にならないことを考えると、前者になると見込んで買ってみる手はある。ただあくまで当日のオッズを確認してからの判断になる。

 複穴でちょっとだけ買ってみたいのがヤマニンプチガトー。どんなレースでも一定の着差には入ってくる馬だし、函館も(1.3.0.0)と好相性。勝つころまではイメージできないが、3連単の3着候補に入れてみたい馬だ。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング