◆条件もさらに好転 衆目一致の候補
アジアエクスプレスにとり、取り巻く条件まで味方に転じつつある。東京9Rに回ることになったグレナディアーズなど、ライバルとなりそうな馬が複数除外されたこと。また、ダートコンディションも予報通りの雨が影響して、高速ダートだろう。バワー十分なので、どういうダートでも能力全開だろうが、芝のG1朝日杯FSを勝っているアジアエクスプレスにとり、時計勝負のダートこそおそらく大歓迎。時計が速くなるほど、勝機が高くなる可能性が高い。
高速ダート向きの父ヘニーヒューズ(現在は日本)、その父ヘネシー(日本に来ていた)、さらにその父ストームキャットとさかのぼる父系は、文句なしの快速「特急」タイプである。
母方も、血統図をながめていると、アメリカ血統の中でもとくにスピード能力重視の意図がみられ、隠し味のようなクロスもみえる。今はもう廃れた父系だが、アメリカ競馬の誇るスピード伝説の主役スワップス(世界レコード5回)の一族のクロスがある。だから、エクスプレスではないのかとも思える隠し味の配合である。4号族の分枝ポーティジから広がる牝系は日本でも良く知られ、テイエムオペラオー、芦毛のコジーンがポーティジと同じぺージに登場する。
同じ一族になるコジーン直仔のランニングスタッグを母の父に持つアジアエクスプレスは、その4代母リヴァークロッシングが、世紀の名繁殖牝馬として知れ渡るフォールアスペンの半妹になる。広くフォールアスペンの一族とくくっていいなら、大変な名牝系の形容も可能だろう。
現在では先週のエプソムCを制したディサイファ(馬主はシェイク・モハメド殿下)の母の父ドバイミレニアムが代表するファミリーであり、土曜日の函館の新馬をちょっと出負けしながら1分10秒2で快勝したアールブリュットの父は、マクフィ、その父ドバウィ、さらにその父ドバイミレニアムである。
アジアエクスプレスの1600mの持ち時計は、2歳11月のものなので1分37秒9にとどまるが、あの時期では古馬1000万条件で勝ち負けのタイムだった。今季のダートなら他馬の時計短縮数字から推測し、約3秒くらい短縮し、芝の朝日杯と同様のタイムも十分に可能だろう。
除外されてしまった候補が多く、相手は少し絞りたい。快速メイショウボーラーの産駒ながら、差す形を身につけつつある
メイショウパワーズと、同じく前回は差す形で好走した
ペアンを相手本線。穴馬は、距離はもちそうな差し一手の牝馬
アンズチャン。もう一頭は内枠の
バンズーム。