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前走好走馬が強い宝塚記念

  • 2014年06月24日(火) 12時00分


◆絞られた後に残った馬が馬券のポイント

 今年の宝塚記念に登録してきた13頭のうち、過半数にあたる7頭は前走で4着以下だった馬たちだ。この馬たちにとって、宝塚記念は厳しい戦いになる。

 宝塚記念がいまの時期に行われるようになったのは2000年だが、それ以降のレースについて前走着順別成績を見てみると、前走1〜3着馬は[12-12-11-64]で回収率が単145%・複94%と優秀なのだが、前走4着以下馬は[2-2-3-95]で単5%・複28%とかなり苦戦している。前走着順の悪いグループだから勝率や複勝率が悪いのは仕方ないが、回収率で見ても悪すぎる。

 ちなみに前走4着以下からの2勝はオルフェーヴルとゴールドシップ。いずれも天皇賞春で伝説的な人気の裏切り方をしてきた馬だし、それ以前の成績も凄かった。並の「前走大敗馬」では同じようにはできまい。

 興味深いのは前走1〜3着馬、つまり誰が見ても良く見えるはずの馬たちが、回収率も良いことだ。この組で一番の穴馬というと2005年のスイープトウショウなのだが、同馬を除いても単110%・複91%とこのグループの回収率は高い水準にある。

 つまり、宝塚記念には「前走成績がまずまず良いのに、さほど強いと思われていないグループ」が存在するということになる。馬券的にはこのグループを物色すべきで、「前走着順が悪いが今回巻き返してくる馬」を探そうとしてもあまり報われないということだ。前出の2頭にしても、宝塚記念ではまだ引き続き人気であって配当妙味はなかった。

 今年の対象は6頭だが、そのうち上位人気にならない馬というとさらに数は絞られる。絞られた後に残った馬が馬券のポイントということになるだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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