51,366票を集め、ファン投票堂々第1位に輝いたゴールドシップ。連覇を懸けて挑む今年の宝塚記念、その手綱を託されたのが横山典弘騎手だ。調教のために栗東まで足を運び、ゴールドシップとの関係をひとつひとつ築いていった横山騎手。本番を前に作り上げられた信頼関係、その様子には管理する須貝尚介調教師も感服。ゴールドシップが春競馬を締めくくるか。今回は須貝師に、ゴールドシップの手応えと、残念ながら回避となったジャスタウェイの近況を語ってもらった。(取材・文:井内利彰)
◆師が明かす「他人が入り込めない関係」 この「激白」の取材をするにあたって、どの馬、どの陣営に対しても、最初にする質問が「前走の振り返り」。今回もいつも通り、その質問からスタートしようと思ったところ、須貝尚介調教師の眉間にしわが寄った。
天皇賞(春)のスタート前。ゲートに入ろうとするゴールドシップに対して、係員が押し込めるような動作を見せた。これに反応したゴールドシップはゲート内で暴れ、結果的に出遅れに繋がった。レースの翌週、師は「レースの週になると、普段から接している僕が近寄っても、威嚇するような仕草を見せる馬。それがレース直前ともなれば、ちょっとしたことでリズムが狂って、出遅れるのも当然だし、走る気を失くしても当然」と話していた。
宝塚記念連覇を狙う今回。鞍上は横山典弘騎手。ゴールドシップにとって、7人目のパートナーになるわけだが、このコンビに対する表現が面白い。
「最初の追い切りの時は人も馬も、お互いに緊張している感じでした。でも、先週の1週前追い切りの時には、仲良くなっていて。今朝(25日)の動きなんか見ていると、もう、他人が入り込めない関係になっているもんね。今のゴールドシップとノリちゃんは、すごく仲のいい友達みたい」
1週前追い切りはCW、最終追い切りは坂路と、コース形状の違う馬場での追い切りだったが、どちらにも共通していたのは、折り合うというよりも、一体感のある走り。個人的には、そのように感じていたので「友達」という表現が、すごくしっくりきた。
◆阪神の中長距離こそゴールドシップの舞台