今年も軽量馬の一発、ワードイズボンド/トレセン発秘話
◆ワードイズボンドの崎山調教師「前走はオーナーも“行け”と言ったし、俺も“行け”と指示を出した」
GIIIラジオNIKKEI賞(6日=福島芝1800メートル)は、JRAで唯一の3歳限定競走におけるハンデ戦。だからなのだろうか。ハンデを聞かされてもそれが的確なものなのか、そうでないのか、いまいちピンときていない陣営が多かった。
55キロのハンデにピオネロの松永幹調教師は「それってどうなんですかね。僕が現役時代にこのレースを勝った時(04年ケイアイガード)はまだハンデ戦じゃなかったから、3歳同士でこのハンデが重いのか、軽いのか、ちょっと分かりづらい。まあ55キロぐらいが妥当といえば妥当なのかもしれないね」。一方、53キロとなったハドソンヤードの西園調教師も「これは軽いとみていいのかな? もっと軽くてもって気もしないでもないが…」と微妙な感触だ。
まだ戦績の蓄積が少なく、力量比較が難しいこの時期に、ハンデで優劣をつけることがいかに困難な作業かは厩舎サイドのリアクションからも想像できる。時に「3歳同士の重賞でハンデ戦をする必要はない」と否定的な意見が上がることも少なくないが…。
是非はともかく、トップハンデ馬がほとんど来ていないことはハッキリしている。過去8年で最重量馬が馬券に絡んだのは08年2着のノットアローン(57キロ)だけ。あとはすべて圏外に飛んだ。その確かな“偏り”を信頼するなら、今年も軽量馬の一発を期待した方が得策か。
「前走はオーナーも“行け”と言ったし、俺も“行け”と指示を出した。だからあんな競馬になってしまったのは仕方ない」と苦笑いするのはワードイズボンドの崎山調教師。
その前走、白百合S(京都芝外1800メートル)は前半3ハロン通過が33秒5の殺人ペース。ウインスプラッシュと競り合って、ともに沈没した結果は度外視していい。「枠順次第では今度は無理には行かせないよ。切れる脚はないけど、気が悪い馬じゃないし、好位からでも競馬はできる」とトレーナー。500万下快勝時に2着に負かしたガリバルディは次走の京都新聞杯で3着。ハンデが走り頃の53キロなら、一発があってもおかしくない。
(栗東の坂路野郎・高岡功)