ポイントシステムには改善の余地あり
グランダム・ジャパン(GDJ)が年を追うごとにおもしろくなってきた。理由は明らかで、最初からタイトルを狙っての遠征馬が確実に増えているからだ。
7月1日の読売レディス杯(金沢)からスタートしたGDJ古馬シーズンは、有力遠征馬の激突でいきなり注目となった。実際にレースでも、3コーナーあたりからの人気4頭の攻防は見応えのあるものだった。結果、その人気4頭が上位を独占したばかりでなく、5着馬には8馬身差がついて、地元金沢勢は6着が最高という成績。地元金沢勢にとっては厳しい結果となったが、それだけの実績馬、実力馬が集結してレース自体のレベルが高いものとなった。
どうやら上位勢はそろって第4戦の兵庫サマークイーン賞(7月25日)に参戦とのこと。また3歳シーズンで優勝したトーコーニーケも参戦予定とのことで、兵庫サマークイーン賞はさらに注目の一戦となりそうだ。
一方でちょっと気になるのが、だいぶ以前にもこのコラムで指摘したことがあるのだが、ポイントシステムのこと。
今回の読売レディス杯の上位着順とポイントは次の通り。
1着エーシンサルサ(兵庫) 10
2着ピッチシフター(愛知) 6
3着キモンレッド(大井) 7
4着エミーズパラダイス(船橋) 5
GDJの★★のレースで、エーシンサルサとピッチシフターが自地区扱いなのに対し、南関東の2頭は他地区扱いなので着順に対するポイントが少し高い。
たしかに南関東からの遠征となると距離的に少し遠いが、兵庫からも名古屋からもそれなりの距離の他場への遠征であることに変わりはない。
GDJの地区区分は<北海道><東北><南関東><北陸・東海・近畿><四国><九州>となっていて、北陸・東海・近畿のところだけがかなり広範囲に渡っている。つまり上記4頭が兵庫サマークイーン賞に出走となると、ポイント的にはやはり南関東が有利となる。
さらに古馬シーズンでいえば、南関東で行われるスパーキングレディーカップ、レディスプレリュードはいずれもダートグレードで★★★ゆえ、自地区と他地区の区別がなく、ほどんど輸送のない南関東勢も、輸送をともなう他地区勢も得られるポイントは同じだ。
「ウチは遠征してもポイントが少ないからなあ」というボヤキを、北陸・東海・近畿地区の厩舎関係者から何度か聞いたことがあるが、確かにと思わされるところはある。
現実問題として、地理的に両端にあたる北海道や九州勢が本格的に参戦しようと思えばかなりの覚悟が必要で、それでも南関東勢の積極的な遠征が少なかった以前はあまり気にならなかったのだが、実質的に南関東勢と北陸・東海・近畿勢が上位を争うようになると、ポイント的に南関東勢に有利に映る。
北陸・東海・近畿は、それぞれ別地区として扱ってあげないと、ポイント的にハンデを背負っているように思うのだが、どうだろう。