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近い将来に現れるハービンジャー産駒の早期勝ち上がり組には注目(辻三蔵)

  • 2014年07月08日(火) 18時00分


◆真夏の目玉商品はコディーノを兄に持つカービングパス

 国内最大のサラブレッド市場と呼ばれるセレクトセールが7月14、15日に開催される。今年2歳世代がデビューした新種牡馬のハービンジャー産駒は23頭(1歳17頭、当歳6頭)が上場され、ポストサンデーサイレンス系の人気種牡馬としての地位を確立しつつある。

 ハービンジャー産駒は既に6頭がデビューしており、新馬成績は[0-1-1-4]。まだ勝ち上がった馬はいないが、仕上がりの早さをアピールしている。セレクトセール当歳で14,175万円で落札されたトーセンバジルは6月29日のメイクデビュー阪神(芝1800m)でデビュー。ディープインパクト産駒のティルナノーグ相手に2着に敗れたが、大器の片鱗を見せている。

 個人的には美浦トレセンに4月26日に入厩したサンマルティン(牡、母ディアデラノビア、国枝厩舎)の印象が強く、奥手のイメージがあった。

 サンマルティンは6月8日メイクデビュー東京(芝1600m)でデビュー予定だったが、調教の動きが物足りず、当該週になって出走を見送った。「力のいるウッドチップ(坂路や南馬場ウッドコースが該当)では動かないので、直前追い切りは軽い馬場のポリトラックコースで行ったが、あまり変わった印象はなかった。初戦から動けるような感触ではないし、晩成型だと思うので一旦休ませてから成長を促したい」と国枝調教師。現在はノーザンファーム天栄に放牧中で、秋競馬での復帰を目指している。

 ただ、サンマルティンに関しては併せ馬の相手だったロジチャリス(新馬2着→未勝利1着)が調教駆けする分、動きが地味に映った面はある。今年の国枝厩舎は育成状態を見極めてデビュー時期を判断しているので、一回り成長した姿で帰ってくるのが楽しみだ。

 真夏の目玉商品はコディーノを兄に持つカービングパス(牝、母ハッピーパス)。6月7日に函館競馬場に入厩後、26日にゲート試験に合格。6月18日の函館ウッドコースではサウスキャロライナ(7月6日新馬1着)と互角の動きを見せており、素質の高さを証明している。7月4日に札幌競馬場に移動して、7月26日(土)メイクデビュー札幌(芝1500m)を目標に調整を進めている。

 デビュー時期が3歳春と遅かった父の現役時代を思えば、2歳戦の早いサイクルで使えるのが驚きだ。晩生血統なのは間違いないだけに、近い将来に現れるであろう早期勝ち上がり組には注目が必要だ。

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