12月3日、川崎「ローレル賞」。ビービーバーニングがデビュー3連勝目を重賞で飾り、断然の1番人気に応えてみせた。好スタート、道中終始気分よく一人旅。直線独走になってから少し遊ぶような仕草もみせたが、後続に4馬身差はむろんセーフティリード。戦前の予測通り2歳牝馬としてははっきり器が違っている。「馬に勝たせてもらいました。頭にあったのは油断しないように、馬の気分を損なわないように、それだけです」。11年目で初の重賞を手にした甲斐年光騎手。今回は出走14頭中、7頭までが道営出身馬で、当地2~3勝クラス。そこでこの勝ちっぷりだから、ビービーバーニング自身、全国区でメドが立ったといえるだろう。1600m1分44秒2は平凡ながら、同日古馬B3とほぼ互角。脚いろの余裕を考えればけっして限界を示す数字でもない。
ローレル賞(サラ2歳牝馬 別定 1600m重 南関東G3)
◎(1)ビービーバーニング 53甲斐 1分42秒2
△(2)テラノパスポート 52酒井 4
▲(3)クラメガミ 52石崎隆 1
△(4)グロウス 52的場文 1
(5)クラマサライデン 52今野 3/4
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△(6)ゴールドファミリー 53森下
○(10)キラキラ 53山中
単110円 馬複590円 馬単670円 3連複2090円 3連単4200円
ビービーバーニングのよさ。ひとつ特長は2歳牝馬らしからぬ落ち着きだろう。パドックなど常にゆったり、のんびり、むしろ気合不足にみえながら、いざゲートを飛び出して一変する。馬っぷり、身のこなしだけをいえば昨年パレガルニエに軍配が上がりそうだが、実戦での集中力、完成度はこちらが上か。「まだ余裕を持たせた攻め馬で仕上げているし、距離延長も未知数。ただこれだけ素質を感じさせる馬に出会ったのは初めて」と、現在川崎リーディングトレーナーを走る武井栄一調教師。バブルガムフェロー×デュラブの血統背景。スピード優先は当然として、よくできた産駒ならすべての面でオールマイティーともいえそうだ。走法、折り合いなど、一戦ごとにいい意味での狡さが出ている。次走は30日大井「東京2歳優駿牝馬」。初コースさえこなせればまず負ける要素はない。
北海道出身馬の2着争い。テラノパスポートが素早く先行態勢をとり、そのままいっぱいに粘り込んだ。470キロ台、しかし数字より細くみせる体型。父プレザント、昨年も同パターンのブラックドンカルロがクラシックを賑わせたが、正直早熟の印象が濃い。むしろ3着ながら最後いい脚を使った点ではクラメガミか。ただこちらもパドックなどぎりぎりの馬体にみえ、気配も相当うるさかった。生え抜きのグロウス、ゴールドファミリーもひとまず力通りという競馬で、今後の変わり身も含めそう大きくは期待しづらい。前走だけ走れなかったキラキラは、どうやら輸送競馬に課題があるか。勝負どころで一瞬これはと思わせたものの、直線バッタリ失速した。もう一度レースをみないとその評価は確定しない。
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京成盃グランドマイラーズ(12月10日船橋 サラ3歳上 別定 南関東G3 1600m)
◎エスプリシーズ 56森下
○ナイキアディライト 56石崎隆
▲トーシンブリザード 58内田博
△ジーナフォンテン 55張田
△バンケーティング 56石井
△ノムラリューオー 56的場文
今週の船橋競馬は重賞2本立て。とりわけ古馬「グランドマイラーズ」は見どころが多い一戦となった。昨春帝王賞(1人気8着)以来、およそ1年半ぶりに復帰するトーシンブリザード。JDダービー、かしわ記念と全国区のタイトル2つ、それより何より、フェブラリーS、アグネスデジタルに迫る2着が感動的だった。なるほど状況はいかにも不利だが、これまで不可能を可能にしてきたミラクルホースでもある。結果はともかくいい形でレースができれば、次はグランプリ・大賞典へ臨む。予想▲ながら、心情としては勝ってほしい。
エスプリシーズは、今季短~マイル路線に目標を切り替えて正解だった。東京盃3着、JBCスプリント5着。スタミナ云々は別にして、緩急をつけずひと息に走りたい気性なのだろう。かしわ記念謎の凡走が気にかかるが、船橋コース自体は昨暮れ東京湾C圧勝で適性を示している。ナイキアディライトは石崎隆騎手の選択が、そのまま期待感ということだろう。全体のレベルがまだ判然としない現3歳だが、JDダービー、ビッグウルフ、ユートピアと接戦だから古馬に入っても脈がある。ジーナフォンテンは来春TCK女王盃へ向けて試走にみえるが、それは人間の思うこと。実戦向きの気性で馬体さえできていればそれなりに走る。ほぼ4頭の勝負だが、船橋転厩4戦目で新味が出ればバンケーティングが3連勝の穴。久々を叩いたノムラリューオーも、短距離の差し馬とみれば同様の期待がある。
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東京湾カップ出走予定馬(12月11日 サラ3歳 別定 南関東G3 1800m)
◎サンデーバニヤン 鷹見
○チョウサンタイガー 酒井
▲イシノファミリー 山田信
△マルダイメグ 的場文
△シャコーオープン 早田
△ティーケーツヨシ 野崎
△ティーケートロット 金子
エスプリシルバー 甲斐
馬券的にはこちらがよほど面白い。狙いは上昇馬サンデーバニヤン。大井デビュー2連勝、当時深刻なソエに悩まされ羽田盃7着で春シーズンを終わったが、復帰後3連勝はひとこと圧巻。前走2番手から横綱相撲で1590m、1分40秒0、後続を6馬身ちぎりまだまだ伸びる勢いがあった。父マーベラスサンデーはラヴァリーフリッグを出し、マイル~中距離ダートに高い適性を示している。初コースをどう折り合うかだが、素質的には来季統一Gで期待できる器とみたい。トライアル・ベイシティCを勝ったチョウサンタイガーも成長株。先行差し自在、アジュディケーティング産駒ながらレースぶりがなかなか渋い。実績からはイシノファミリー、マルダイメグだが、前者はスタート、後者は前走久々力走の反動が気にかかる。末脚勝負の個性派シャコーオープン、パワーにあふれるティーケー2頭も争覇圏。サンデーバニヤンから、オッズと相談しつつ少し手広く買ってみる。