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ウェスタールンド(牡 栗東・佐々木晶三 父ネオユニヴァース、母ユーアンミー)
阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)で3着と健闘したミクロコスモスの全弟。父ネオユニヴァースは牝馬よりも牡馬のほうが走る傾向が見られるので、牝から牡に替わった本馬は期待できる。母ユーアンミーはフォワードギャルS(米G3・ダ7f)の勝ち馬なのでスピード面の心配はない。父の代表産駒ヴィクトワールピサ、ロジユニヴァースと同じくMr.Prospectorを抱えており、2代母ArchimillionnaireはCiboulette≒Coqueluche 3×1というカナダ血統のユニークな凝縮がある。この配合構成は魅力的。姉を超える可能性は十分あるだろう。
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ダイワミランダ(牝 美浦・国枝栄 父ハービンジャー、母ダイワスカーレット)
母ダイワスカーレットは有馬記念(GI)、桜花賞(GI)、秋華賞(GI)、エリザベス女王杯(GI)を制した女傑。その4分の3兄はダイワメジャー(04年皐月賞-GI、06年天皇賞・秋-GI、06・07年マイルCS-GI、07年安田記念-GI)で、近親にダイワファルコン(12、13年福島記念-GIII)がいる名門ファミリー。父ハービンジャーは4歳夏のキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英G1・芝12f)で後続に11馬身差をつけるコースレコードで圧勝した名馬。ただ、4歳になって頭角を現してきた晩成型のステイヤーだけに、産駒が本格化するまでに時間を要するだろう。この点を母の素質でどこまでカバーできるかがポイントだろう。芝向きの中長距離タイプ。
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ハナズシャウト(牡 美浦・加藤和宏 父ハーツクライ、母マヤノメイビー)
母マヤノメイビーは桜花賞(GI)2着、阪神3歳牝馬S(GI)3着などの成績がある。産駒はコンスタントに勝ち上がっているものの、まだこれといった大物は出ていない。本馬の父はハーツクライ。今年はドバイデューティフリーと安田記念を勝ったジャスタウェイを筆頭に、ダービー馬ワンアンドオンリー、オークス馬ヌーヴォレコルトなど、産駒が大レースを席巻している。NijinskyとBuckpasserを併せ持つハーツクライ産駒なので、カレンミロティック、メイショウナルト、キョウワジャンヌに似た配合構成。Mr.Prospectorが入るので仕上がりも早いだろう。
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マテンロウハピネス(牡 栗東・昆貢 父ダイワメジャー、母レディハピネス)
母レディハピネスが6戦未勝利に終わったのは、おそらく母の父Montjeuの重たさが原因だろう。凱旋門賞(仏G1)、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英G1)、仏ダービー(G1)、愛ダービー(G1)など欧州G1を勝ちまくった名馬で、種牡馬としても成功したのだが、深い芝に向いた重厚なステイヤーなので日本向きとはいえない。2代母レディパステルはオークス(GI)、中山牝馬S(GIII)、府中牝馬S(GIII)を勝った名牝だけに、潜在的にいいものは受け継いでいるだろう。父ダイワメジャーは堅実なスピードを伝える種牡馬。したがってこうした繁殖牝馬は合うはず。トニービンとBlushing Groomを併せ持つダイワメジャー産駒なのでコパノリチャード(14年高松宮記念-GI)と配合構成が似ている。芝・ダート兼用の中距離タイプ。
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ラヴィダフェリース(牡 栗東・池江泰寿 父ディープインパクト、母アドマイヤハッピー)
半兄にウォータクティクス(父ウォーエンブレム/09年アンタレスS-GIII)、4分の3兄にキタサンアミーゴ(父フジキセキ/11年小倉記念-GIII・2着、11年ダイヤモンドS-GIII・3着)がいる。母アドマイヤハッピーは名門ダイナカール牝系の流れを汲み、年度代表馬エアグルーヴと4分の3同血という良血。近親にはエガオヲミセテ、オレハマッテルゼ、ルーラーシップ、アドマイヤグルーヴなど、多数の活躍馬がひしめいている。本馬の父はディープインパクトなので、マーメイドS(GIII)を勝ったグルヴェイグと配合構成がそっくり。ただし、本格化するタイミングは遅めで、2〜3歳時は頼りないところを見せそうだ。芝1800〜2400mが適距離。