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巷の『競馬の格言』本当のところはどうなの?【第3回】

  • 2014年07月16日(水) 18時00分
優作&恭介


今回はコースや距離についての格言を国分優作&恭介騎手に聞いていきます。距離実績が重要なのか、コース実績が重要なのか。ふたりの意見が真っ二つ。いったいどっちが正しいの!?
(取材・文/大薮喬介)

距離延長よりも距離短縮で激走?

――『距離実績よりもコース実績』と言われる格言があるのですが、どう思われますか?

優作 コースは重要かなぁ。

恭介 僕は距離を気にしますね。

優作 確かに距離も大事だよね。当然、馬によって許容範囲はあるわけで、場合によっては距離が限定される馬もいるし。そもそも、距離はどの競馬場もだいたい同じじゃない?

――ダートの場合はそうかもしれませんが、芝はマイルや2000m、2400mなど、いろいろな距離があると思うんですけど。

優作 ああ、そうですよね。ダートのことばかり考えていました(笑)。でも、それでも僕はコースのほうが重要だと思いますね。たとえば、フラガラッハとか。この間は阪神(鳴尾記念3着)でも走りましたけど、この馬は左回りでこその馬だと思います。

――よく言われますけど、右回り、左回りが得意な馬はいるんですか?

優作 それはあります。強い馬はどこでも走りますけど、少し足りないなと思う馬は左回りや右回りの得意不得意がモロに出ますから。

恭介 直線が長い、短いも関係あるんじゃない?

――最近は、直線の長いコースが増えましたよね。

優作&恭介 ですね。

――特殊なコースといえば、今は中山だけですかね?

恭介 北海道も100%洋芝なので特殊ですよね。時計がかかるので、パワータイプが向いていると思います。雨が降ったら、ダート馬でも通用することがありますし。

優作 時計勝負だとしんどい馬が、(北海道では)いいよね。

優作

優作「時計勝負だとしんどい馬が、(北海道では)いいよね」



――話を元に戻しますが、優作騎手はコース、恭介騎手は距離と、意見が逆ですよね?

優作 同じダート1800mでも、京都では走るけど、阪神で走らない馬はいますからね。コース実績が重要だと思うんだけどなぁ。

恭介 マウンテンファストはまさにそうだよね。京都のダート成績はいいけど、阪神のダート成績はそれほどよくない。でも、京都と阪神の違いって、坂があるないくらいじゃない?

優作 坂もそうだけど、輸送距離が違うのも関係しているんじゃないかな。輸送がダメな馬は京都がいいとか。

恭介 京都は芝もダートも時計が速すぎるときがあるから、それも関係しているのかも。

優作 あくまでも僕のイメージですけど、阪神しか走らないという馬はいないけど、京都しか走らない馬は結構いると思うんですよね。

――阪神が得意な馬はいないということですか?

優作 いないわけじゃないです。割合的に京都が得意な馬のほうが多いんじゃないかと。

恭介 それは気にしたことがなかったなぁ。

――結局のところ、『距離実績よりもコース実績』は正しいのでしょうか?

恭介 ケースバイケースだと思います。

優作 僕は格言通りだと思いますね。「この馬はここのコース実績があるから、やれるんじゃないか」って思いますから。

――では、距離替わりでは、長くなるのと、短くなるのとではどちらがいいと思います?

2011〜2013年 前走距離別成績

2011〜2013年 前走距離別成績



恭介 どっちかなぁ。僕は距離を詰めるほうが好きです。

優作 僕は逆ですね。長くなるほうが好きです。

――まったく意見が合わないですねぇ(苦笑)

優作 良い悪いというよりも、短い距離はアッという間に終わるから、好きじゃないんです。競馬をした気がしないんですよね。

――恭介騎手はどうして距離短縮のほうが好きなんですか?

恭介 距離を短くすると、前にいけない場合がほとんどなんですけど、それがかえってハマることもあるんです。

優作 ああ、それはあるかも。距離を短くして展開が向くことはあるよね。速い馬たちががハイペースのなか前でやりあってくれて、後ろから追い込んで届くみたいな。

恭介 実際、(距離を短縮して)いい思いをしたことがあるから好き、というだけなんですけど(笑)。

恭介

恭介「実際、いい思いをしたことがあるから好き、というだけなんですけど(笑)」


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