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新馬戦回避のローデッド「すごく賢い」ゆえに一旦放牧へ/吉田竜作マル秘週報

  • 2014年07月30日(水) 18時00分


◆佐藤助手「乗り心地がいいし、重心が低くて地を這うように走るんだ。期待しないわけにはいかないよね」

 本来なら日曜(27日)の中京芝1400メートルでデビューするはずだったのがローデッド(牝=父ディープインパクト、母ホッコーオウカ・荒川)。「親分(荒川調教師)は蛯名さん好きだからね。ここで使うのも蛯名さんが乗りに来るのに合わせたみたい」(佐藤助手)というほど陣営も力が入っていた。ところが、レースの週に厩舎へ足を運ぶと佐藤助手はしょんぼり。「使わないことになったんだ」と回避を口にした。

 原因は左前脚の外傷を治療するのに禁止薬物を使わざるを得なかったため(一定期間を経た後、出走が許可される)。ケガの程度自体は軽いもので、このままデビューに向けて再調整していくと思われたが、佐藤助手からは「一旦(放牧に)出した方がいいと思うんだ。この時期に無理して使うような馬でもない」と休養をにおわすコメント。果たしてその真意は?

 佐藤助手といえばローデッドの半姉オースミハルカ(重賞4勝)、半兄オースミグラスワン(重賞2勝)の調教にも携わってきた人。この血統については「嫌というほどよく知っている」。そのマイスターが指摘するこの血統の最たる特徴が「賢い」、いや「賢過ぎる」こと。長所にも思えるこの才能が、こと競走となるとマイナスに出ることがあるという。

「オースミハルカなんかは賢かったけど、競馬に行くといい意味でプッツンするところがあった。だから時には限界を超えた走りも見せられたんだと思う。だけど、その子供たちなんかは賢い面ばかり受け継いでしまって…。“しんどい”と思ったら、もう自分から走るのをやめてしまうんだ。オースミアザレア、オースミミズホなんかは能力はあったのに、それに見合った走りは見せなかった。それは“しんどい”ってことを覚えてしまったからだと思う」

 ローデッドもまた「すごく賢い」。それゆえ「大したケガでもないのに、まあ大げさでね。すごく用心して脚を出すんだ。頭がいいからこういう嫌なことを覚えたまま走ってもいいことはない。だから一度放牧に出して忘れさせるのもありかな、と思うんだ」。

 もちろん、こうした長期的な展望を持てるのも、ローデッドが稀有な才能を持っているからこそ。

「この血統には何度も裏切られてきたので、過度な期待はしないようにしているんだけど…。乗り心地がいいし、重心が低くて地を這うように走るんだ。期待しないわけにはいかないよね」

 記者もこの血統については佐藤助手とともに長く見守ってきたつもりだが、ここまで絶賛される馬は過去にいなかった。現時点では経過観察中で動向も未定だが、この血統の代表産駒となるかもしれない逸材。無事に開花してほしい。

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