◆ハービンジャー産駒の関心は秋以降の競馬でどれだけ産駒が走るかだろう
今年最も注目を集めていた新種牡馬のハービンジャー。先週のトーセンバジルで産駒中央5勝目となったが、5勝がすべて北海道シリーズ(函館1勝・札幌4勝)。さらに母の父は5頭中4頭がサンデーサイレンスで1頭がフジキセキ。まだ2歳戦は始まったばかりだが、だいぶ偏った走り方をしている。
ハービンジャー産駒を指名している人もそうでない人も、関心は秋以降の競馬でどれだけ産駒が走るかだろう。そこで今回は参考になるかどうか分からないが、過去の事例を見てみよう。
北海道シリーズの2歳新馬・未勝利戦(芝のみ)で成績が良く、かつ非サンデーサイレンス系の先輩種牡馬には以下のような例がある(現役産駒のいる種牡馬のみ、成績は8月17日時点)。
種牡馬 着度数 勝率 複勝率 1走あたり賞金
サクラバクシンオー 37- 27- 26-110/200 18.5% 45.0% 176万円
フレンチデピュティ 15- 10- 11- 55/ 91 16.5% 39.6% 160万円
キングカメハメハ 13- 15- 17- 55/100 13.0% 45.0% 154万円
キングヘイロー 8- 12- 4- 32/ 56 14.3% 42.9% 162万円
ヘクタープロテクター 7- 5- 5- 26/ 43 16.3% 39.5% 156万円
アドマイヤムーン 7- 5- 2- 25/ 39 17.9% 35.9% 167万円
アグネスデジタル 7- 4- 7- 25/ 43 16.3% 41.9% 153万円
プリサイスエンド 7- 2- 2- 15/ 26 26.9% 42.3% 208万円
勝率12%以上、複勝率30%以上、1走あたり賞金150万円以上、5頭以上1着を基準にすると、以上の8頭が該当する。
8頭産駒で、函館・札幌の2歳戦で初勝利をあげた馬は101頭。これらの馬について、「1勝をあげた後、3歳末までの芝レース、北海道シリーズ以外」の成績をまとめるとどのようになるだろうか?
得意の(?)北海道戦を除いた芝レースに出走した馬は88頭。うち2勝目以降をその条件であげた馬は30頭で34.1%。グランプリボスやレジネッタの活躍があり、1頭あたり賞金は2244万円、1走あたり賞金は398万円とけっこう高い。
ちなみに、「北海道シリーズの2歳新馬・未勝利(芝)で1勝目をあげたサンデーサイレンス系の馬」について同様の調査をすると、3歳末までに北海道以外の芝に出走した馬は208頭で勝ったのは78頭(37.5%)。1頭あたり賞金が2495万円で1走あたり賞金が408万円。これに比べると先ほどの数値はいずれも低いが、天と地ほども違うわけではない。
こうしてみると、洋芝でよく走ることが、イコール他条件で走らないというわけではないようにも思える。個人的にポイントと思えるのは暮れにリニューアルオープンする中山。ここが昨年と同様ディープインパクト産駒にとって不得手な路面になっていると、ハービンジャー産駒はPOGでも馬券でもいいところを見せてくる可能性がある。