小倉コースでも狙いは差し馬!
担当編集者(以下、編) 石橋さん、今日のオーダーって聞いてます?
石橋 武(以下、石) 札幌記念って聞いてるけど、あのレースは普通にゴールド……
編 しっ!
石 ああ、そうか。って、キミが止めなくてもいいだろ(笑)。
編 あ、むしろしゃべらせたほうが良かったのか(笑)。
石 もうしゃべらないけどね(笑)。
編 失敗した……。というわけで、今週は北九州記念にしません?
石 いいけど、大丈夫なの?
編 こっちのレースのほうが石橋さん向きでしょ。だって過去10年で1番人気馬が勝ったのはたったの2回。それ以外は5番人気以下の馬が勝つレースですからね。
石 いいならそうするけど。
編 読者だって荒れるレースで石橋さんの予想を聞きたいと思うんですよ。よし、北九州記念に決めた。
石 勝手に決めちゃった(笑)。
編 いいんです、たまには。だって僕がこのレースで石橋さんの穴馬を知りたいんですから。
石 結局、自分の希望かいっ!
編 あ、さっき言ったように読者のためです(笑)。
石 まあ、いいよ。北九州記念のほうが穴馬が多いし、荒れる可能性も高いからね。僕としてもありがたい。
編 ではさっそくお願いします。ちなみにこういう馬は要チェックみたいな法則なんてあります?
石 法則と言うと大げさになっちゃうけど、早い上がりを使えるタイプを狙うのがいいだろうね。
編 差し馬を狙うという?
石 そう。北九州記念が行われるのは開催後半。雨も多い季節だし、ちょうど馬場が荒れてくる頃なんだよね。毎年のことながら。差しが効いてくるんだよね、この北九州記念あたりは。
編 ああ、それで。たしかに毎年のように差し馬が勝ってますよね。小回りコースにしては珍しく4コーナーでふたケタ番手の馬がバンバン差してくるという。
石 そうなんだよ。で、大抵そういう馬って前走でもメンバー中上位(1〜3位)の脚は使っているんだ。だからシンプルにそういう馬を狙うというだけで、馬券が当たるというね。
編 へ〜。でもそういう馬がなんで人気にならないんですかね。
石 いろいろあるけどね。たとえば小倉の開催前半で好走した馬は人気に推されやすいでしょ?
編 ええ。同じコースで勝ち負けしてきたわけですから、当然注目されますよね。
石 でも馬場の傾向はガラッと変わっていて、開催前半は前残り、後半は差し、さらに終盤は完全に外差しに変わっていくわけ。となると開催前半で先行して好走した馬が、今回は差し馬場で凡走するというパターンが多いよね。
編 そういうことか〜。ちなみに終盤ていうのは最終週とか?
石 そう、小倉2歳Sとかね。
編 ああ、たしかに。
石 あとは荒れた馬場での短距離戦だけに斤量が軽いほうが有利というのもポイントのひとつ。ハンデ戦でもあるから。
編 なるほど。じゃあ、そういったことを踏まえるとどの穴馬に注目すればいいですか?
石 そうだな、まずはブルーデジャブ。
編 前走はアイビスSDか。さっきの上がりの話は直千競馬でもいいんですか?
石 いいよ。11年に新潟直千組が1着、3着しているでしょ?
編 たしかに。勝ったトウカイミステリーが前走ルミエールSで上がりはメンバー中最速。3着のエーシンヴァーゴウも前走がアイビスSDで上がりはメンバー中最速ですね。あれ、ということは前走の着順は気にしなくていいんですか? トウカイミステリーは7着に負けていますけど。
石 まったく気にしなくていいよ。というか、じゃないとこんなに人気薄ばっかり勝たないでしょ。
編 そうか(笑)。前走で凡走しているから人気がないわけですもんね、基本的には。
石 そういうこと。ブルーデジャブも前走は6着に負けているけど、上がりはメンバー中最速。この馬は前走以外でもスプリント戦でちょくちょく速い上がりをマークしているように、まさにおあつらえ向きと言えるんじゃないかな。
編 あとはハンデか。
石 そんなに重くならないでしょう。2走前(54キロ)と同じだと思うよ。
編 だったらなおのこといいですね。
石 続いてはメイショウスザンナもチェックしておきたいね。
編 前走が初のスプリント戦だったにもかかわらずメンバー中最速上がりをマークしたんですよね。
石 その通り。ずっとマイルくらいの距離を使われていたんだけど、先行しつつ最後にたれちゃうという競馬が続いていてね。それがスプリント戦では距離の不安がないぶん、強気に前を追っかける競馬でまくり切るような競馬。
編 強かったですもんね。
石 そうだね。ハンデはどれくらいだろう。52とか、貰ったとしても53キロでしょ。それだったらこのメンバー相手でも十分に太刀打ちできるよ。
編 なるほどね〜。
石 あとはリアルヴィーナスだね。
編 前走は先行しちゃってますよ?
石 そうくると思ったよ(笑)。たしかにさっきから言っているように差し馬に注目ではあるんだけど、前走で先行していたからって見限ってしまうのは早計。
編 といいますと?
石 たとえば本来は短距離の差し馬なんだけど、前走の距離が長かったらスピードの違いで前に行っちゃうこともあるし、前残りの馬場を考慮して意識的に先行させているケースもあるんだ。そういう馬は前走で上がりが速くなかったりするからね。
編 じゃあリアルヴィーナスの場合も。
石 前走こそ先行したけど、もともとは後方から差し脚を活かしたいタイプだよね。実際、2走前もそういう競馬でメンバー中最速の上がりを繰り出していたわけだし。
編 たしかにそうですね。
石 でしょ? それ以前も差して速い上がりを使っていたタイプだし、あ、速いっていっても時計的な速さじゃなくて、相対的にね(他の出走メンバーと比べて)。前走からの巻き返しが期待できるよ。3歳牝馬で斤量も軽いだろうし。
編 わかりました。現時点ではこの3頭に注目ということで。やっぱり北九州記念にしておいて良かったわ(笑)。
石 まあ、良かったかどうかはレースを待たないとわからないけど、得意なレースではあるからね。
編 そうか、このレースは去年もスポーツマスターで当ててましたよね、たしか。え〜と、ちょっと待って下さいよ……、ほら! そうそう、そうだった。去年は穴馬の本命◎ツルマルレオン(6人気1着)、人気の本命◎ニンジャ(5人気1着)、3着のバーバラ(2人気)も高評価で3連単55,230円、3連複8,770円を完璧的中じゃないですか。
石 ああ、そうそう。本命馬のワンツーだったんだ。しかも、それでいてキミにこのコラムで文句を言われるという。ニンジャ(5人気)は人気馬じゃなくて伏兵馬だろう的な。
編 思い出した。話しましたね、たしかに。ただ、文句は言ってない(笑)。なんなら去年の対談を読み返します? オッて言っただけです。
石 わかった、わかった。まあ、そんな感じで好きなレースではあるので、ぜひご注目いただければと。
編 もちろんです。スポーツマスターでの勝負予想もばっちり参考にさせていただきます。というかそのまま買わせていただきます(笑)。期待してますからね。よろしくお願いしま〜す。
石 軽いな〜。けっこう歳くってるくせに。
編 うるさい(笑)!
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