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確実性の高い芝向きのマイラー、スターリーウインド

  • 2014年08月27日(水) 12時00分
オメガゴールドレイ(牡 栗東・松永幹夫 父キングカメハメハ、母オメガグレイス)
 母オメガグレイスはオークス馬エリンコートの4分の3姉にあたる良血で、現役時代に5勝を挙げて準OPまで出世した。2代母エリンバードは伊1000ギニー(G2)の勝ち馬で、ブリーダーズCディスタフ(米G1)では4着と健闘している。「キングカメハメハ×サンデーサイレンス」という組み合わせはローズキングダム、ベルシャザール、トゥザグローリーなどと同じ。2代母の父Blue Birdはキングカメハメハと相性がいい「Northern Dancer+Secretariat」の組み合わせにやや似た構成なので好ましい。全兄オメガブレインは準OP馬。本馬も兄同様の活躍を期待したい。

キョウエイインドラ(牡 栗東・矢作芳人 父スウェプトオーヴァーボード、母サンシャワーキッス)
 JRAで出走した兄弟は8頭いるが、勝ち上がったのは全兄キョウエイアシュラのみ。同馬は函館2歳S(GIII)2着、京成杯オータムH(GIII)3着という成績を残し、7歳の現在もOPクラスの一線で活躍している。Ambehavingとクリアアンバーの4×3という相似な血のクロスがこの配合の鍵で、本馬と4分の3同血の、まったく同じ構造を抱えたダイワバーチューは先週の新馬戦(新潟芝1600m)で強い勝ち方をした。すでに坂路で乗り込んでおり、デビューは遠くなさそう。全兄は新馬−ラベンダー賞を連勝し、函館2歳Sで2着となった仕上がり早のスピードタイプ。本馬もまずは新馬戦で馬券になってくれるはずだ。

クインズオプティモ(牝 美浦・和田正一郎 父ヴァーミリアン、母ケイアイシャープ)
 父ヴァーミリアンは今年の新種牡馬。現役時代にダートGIを8勝した希代の名馬で、兄弟にソリタリーキング(ダート重賞3勝)、サカラート(ダート重賞4勝)、キングスエンブレム(シリウスS-GIII)といった活躍馬がいる良血。母スカーレットレディはダイワメジャーと同血なので種牡馬として期待が掛かる。現在JRAで勝ち上がった馬は芝1頭、ダート2頭。基本的にはダート向きだと思われるが、サンデーサイレンス3×3のノットフォーマルがクローバー賞(OP)で2着となっているように、配合次第では芝向きの産駒を出せるポテンシャルを秘めている。本馬は母がダート3勝馬で、「ブライアンズタイム×Law Society」と力強い配合なのでダート向きだろう。底力を感じさせる配合で大物感がある。

コアプライド(牡 美浦・和田正道 父マンハッタンカフェ、母グローリーブラッド)
 フォーチュンスター(父ダイワメジャー/準OP)、スーリール(父スペシャルウィーク/1勝)の4分の3弟。母グローリーブラッドは現役時代にフィリーズレビュー(GII)で5着となった。父マンハッタンカフェはMr.ProspectorとNijinskyの組み合わせを持つ繁殖牝馬と相性がよく、このパターンからイコピコ、レッドアゲート、サンディエゴシチー、メイショウレガーロ、マンハッタンスカイなど多くの活躍馬が出ている。母は「Mr.Prospector系×Nijinsky系」という組み合わせなのでこのパターンに当てはまる。芝向きのマイラー。

スターリーウインド(牝 栗東・今野貞一 父ゼンノロブロイ、母スターズインハーアイズ)
 母スターズインハーアイズはディープインパクトの半姉。良血だけあって繁殖成績は上々で、ダノンパッション(父アグネスタキオン/デイリー杯2歳S-3着)、アインラクス(父ダンスインザダーク/若駒S)などを産んでいる。本馬はゼンノロブロイが父で、アメリカ血統が強いだけに、2代母ウインドインハーヘアが抱える正統派のヨーロッパ血統は好ましい。同じく「Mr.Prospector×Buckpasser」という組み合わせから成るマイニングとWoodmanを3×2でクロスさせているのもポイントで、アグネスワルツ(10年オークス-GI・3着、10年フローラS-GII・2着、13年マーメイドS-GII・2着)に似ている。仕上がりが早く確実性の高い芝向きのマイラーだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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