ハープスターの勝負根性と陣営の手腕を感じた札幌記念
札幌記念、驚きました。
当日私はフジテレビの中継で現地入りしていたのですが、明らかにこれまでとは違った様子のハープスター。
この馬の持ち味であるトモのボリューム感が失われ前捌きも硬く、決して万全とは言えない状況でした。
あの状態であれだけのパフォーマンスをしてしまうとは!
中には、(それは勝手なあなたの思い込みで、本当は良い状態だったのでは?だってあれほどまでに強かったのだから)と思われる方もいらっしゃることでしょう。
日本の競馬は馬券を販売して成り立っている背景から、マスコミを通しての陣営のコメントは非常に難しいところがあります。
例えば良くないと発言すれば、「良くないのなら、使うな」となりますし、新聞で悪い! と見出しが躍れば、オーナーが余計な心配をしてしまうこともありますし、悪いと公表していた中で圧勝してしまえば、八百長疑惑にまで発展する可能性も。
よって非常に難しい問題であり、何となくこの世界の暗黙のルールとして悪いというコメントは控える傾向にあるように思えます。
とは言え馬も人間同様、常に完璧なコンディションというわけにはいかないですし、そもそも競走馬はアスリート。
1回の競馬での消耗度は相当なものがあり、陣営は常にケアケアの毎日を繰り返しながら必死で愛馬を送り出しています。
今回においてはレース後、ノーザンファームの吉田勝己代表も、「オークスでのツメの状態が酷く、今回のレースはギリギリなんとかまにあった程度」とコメントしていますし、また松田厩舎陣営も、「苦しかった。でもこの状態でこんな走りをみせたことに涙がでそうになった」と話され、こちらが想像する以上に過酷な状態だったことが伺えるものでした。
また状態が思うようにいかないということは、裏を返せば出走に至るまでの間、陣営にとってケアによるケアを重ねると共に、その状態でどこまで攻めていいのか? 葛藤の毎日だったことと思います。改めてハープスターの勝負根性と陣営の手腕を感じるものでした。
とにかく反動が最小限であること、そしてツメの状態がよくなることを願い、無事にフランスへと旅立ってほしいです。
さて今週は新潟2歳S。上がり32秒台の新馬戦に魅了されたナヴィオンと、トモのボリューム満点のワキノヒビキ、そして関東馬のミュゼスルタンとアヴニールマルシェに注目します。
それでは皆さん、週末は競馬場もしくはフジテレビ「みんなのKEIBA」でお逢いしましょう。ホソジュンでしたぁ。