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エイシンアリエル(牝 栗東・坂口正則 父サクラバクシンオー、母エイシンチタニア)
ハナっ速い馬がそろうスプリント路線でも、とくにテンのダッシュ力に秀でていたエーシンダックマン(12年シルクロードS-GIII・2着、12年アイビスサマーダッシュ-GIII・2着)の全妹。母エイシンチタニアは未勝利馬だが、エイシンツルギザン(03年ニュージーランドT-GII)の半妹にあたる良血で、同馬はサクラバクシンオー産駒なので本馬とは4分の3同血(父が同じで母同士が親子)の関係となる。Nijinsky、Dr.Fagerと、父サクラバクシンオーとの相性のいい血が母方に入り、母の父スピニングワールドは「Nureyev×Riverman」という本格派。この部分がエーシンダックマンの持続力の根拠となっていたのではないかと思われる。同馬が本格化したのは古馬になってからだったが、本馬は牝馬に替わったことで仕上がりの早さが期待できる。POG期間中でも十分やれるだろう。
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エイシンライダー(牡 栗東・沖芳夫 父マンハッタンカフェ、母エーシンマイスター)
母エーシンマイスターは未勝利馬だが、その半兄にエイシンデピュティ(08年宝塚記念-GI、08年金鯱賞-GIIなど重賞4勝)、エーシンダードマン(07年菊花賞-GI・4着)がいる良血。タイキシャトルの代表的なニックスであるNijinskyクロスを持っており、血統的なポテンシャルの高さを感じさせる繁殖牝馬だ。初子のエイシンペペラッツ(父フレンチデピュティ)はこの春、京都芝1400m内回りのレコード(1分19秒9)を樹立している。本馬の父はマンハッタンカフェ。「マンハッタンカフェ×タイキシャトル」はマッハヴェロシティ(09年青葉賞-GII・2着、11年新潟大賞典-GIII・2着)、ウインスペンサー(準OP)が出ている組み合わせで、母方にMr.ProspectorとNijinskyを併せ持つ配合は父の成功するパターンでもある。芝向きのマイラーとして着実に走ってくるだろう。
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ショウナンラー(牡 美浦・上原博之 父ハービンジャー、母ポンドガール)
母ポンドガールは未勝利馬だが、芝中距離路線でOPまで出世したアスクデピュティの半妹にあたる。アスクデピュティは先日の新潟2歳S(GIII)をレコードで制したミュゼスルタンの母なので、本馬とミュゼスルタンはいとこ同士、母ポンドガールとミュゼスルタンは両馬とも父がキングカメハメハなので4分の3同血の関係となる。2代母マルカコマチは京都牝馬特別(GIII)の勝ち馬。ミュゼスルタンは「キングカメハメハ×フレンチデピュティ」の硬さを2代母マルカコマチ(サンデーサイレンス×ディクタス)の柔らかさでなんとかしてしまったという配合だが、本馬も「ハービンジャー×キングカメハメハ」の硬さを2代母マルカコマチがなんとかしてくれるのではないかと期待を抱かせる配合だ。芝向きの中距離タイプ。
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マウントハレアカラ(牡 栗東・角居勝彦 父カネヒキリ、母リラックススマイル)
マローブルー(父ディープインパクト/14年フローラS-GII・4着、14年フラワーC-GIII・4着)の半弟、デボネア(11年京成杯-GIII・2着、11年弥生賞-GII・3着、11年皐月賞-GI・4着)の甥にあたる。カネヒキリ産駒は現時点でまだJRA未勝利。2着が3回あるので、ダートの番組が増える季節になれば自然に勝ち上がっていくだろう。母リラックススマイルは「Dubai Destination×Singspiel」というヨーロッパの洋芝血統だが、いずれも非凡なパワーを秘めているのでダートにも問題なく適応すると思われる。カネヒキリとの配合ではMr.Prospector 4×4というクロスが生じる。これも悪くない。ダート向きのマイラー。
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レッドオルバース(牡 美浦・国枝栄 父ダイワメジャー、母アグネスラズベリ)
母アグネスラズベリは短距離路線で活躍し、函館スプリントS(GIII)を勝ったほか、重賞で入着を繰り返した。ロゴタイプ(13年皐月賞-GI、12年朝日杯FS-GI)、パドトロワ(短距離重賞3勝)と同じベリアーニ牝系に属している。昨年のアネモネS(OP)で大外枠ながら3着に食い込んだサクラディソールとは4分の3同血(父と2代母が同じ)。母方にあるWhat a Pleasureは、その4分の3同血のボールドラッドともどもダイワメジャーとは相性がいい。兄姉2頭が現時点で勝ち星を挙げていないものの、期待できるのではないかと思われる。芝向きのマイラー。