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【キシュトーーク!特別企画】『松山弘平×恩師・斉藤正行 対談』[第1回]

  • 2014年09月03日(水) 18時00分
松山弘平


松山弘平騎手が少年時代に通っていた阪神競馬場の乗馬センター。そこで、乗馬を教えてくださっていた斉藤正行さんは、現在栗東トレーニングセンターのプール調教指導員をなさっています。今月は、その恩師・斉藤さんと松山騎手との対談をお届けします。少年時代の松山騎手はいったいどのような子供だったのでしょうか!?
(取材・文/大薮喬介)


乗馬センターに通い始めた頃は目立つ子ではなかった

松山 今日は出演してくださって、ありがとうございます。

斉藤 私でいいのかな? 何を話せばいいんだろう(苦笑)。

松山 大丈夫ですよ、斉藤先生なら。今日はよろしくお願いします!

斉藤 松山くんは小学校4、5年生くらいから、阪神競馬場の乗馬センターに通い始めたんだったかな?

松山 5年生からですね。

斉藤 そうか、5年生か。もう13、14年前になるんだね。私が阪神競馬場の乗馬センターに勤務している時代にジョッキーになった子は、松山くんのほかに田村太雅、船曳文士の2人。現役でいえば、今は田村くんと松山くんだね。近隣の子が教わりにくることが多いけれど、ジョッキーを目指す子は、結構遠いところから通ってくるんだよね。ただ、体型的に恵まれていないとジョッキーになるのは難しいから、あきらめる子もいたな。

松山 僕も体が小さかったので、最初からジョッキーを目指していました。

斉藤 頑張り屋さんだったよね。開始時間の前に必ず来ていたし、遅刻は一切なかったのを覚えているよ。

松山 乗馬センターの頃の斉藤先生は本当に怖かったですから(笑)。

斉藤 ははは。確かにあの頃は厳しくしていたかもしれない。当時の君は、本当にジョッキーになれるのか、少し心配な部分があったからね。ジョッキーだけじゃなく、馬に携わる仕事は、好きなだけでは務まらないと、常に言っていたのを覚えているかな? だけど、松山くんは意志が固く、決してあきらめなかったんだよね。

松山 右も左もわからなかった僕を、一から指導してくださって、本当に感謝しています。

斉藤 乗馬は、最初が大変なんだよね。ほとんどの子が馬を間近で見たことがないから、初めて見たら怖いと思ってしまう。それをいきなり「はい、乗ってみなさい」と言われるんだから。

松山 そうなんですよね。僕も初めて乗ったときは、すごく怖かったです。

斉藤 想像以上に大きいし、乗るとバランスもとりにくい。そのうえ、馬上からの目線は普段経験したことがないような高さに感じるから、最初は怖がって当然だよね。そのなかで、バランスよく乗れているかを見ながら、少しずつ教えていく。松山くんの場合は、最初は目立つ感じではなかったな。ただ、それでも日が経つにつれて、少しずつ上達してきて、自分の目指しているものと、技術が一致していったんだよね。

松山 乗馬は足が長いほうがいいと言われるじゃないですか。だけど、僕は体がすごく小さかったので、一緒に入った子たちと比べても、最初は「自分は上手い」とはまったく思えませんでした。

斉藤 松山くんは、かなり小さかったよなぁ。

松山 当時の身長は覚えていないんですが、中学校の入学式で138cmでしたから。

斉藤 同級生は君よりも大きかったからね。乗馬の場合は、ある程度の腕力と体力がないと馬を御すことができないから、君は大変だったと思うよ。それを考えると、よくあきらめないで頑張った。

斉藤正行さん

斉藤正行さん「(松山)君は大変だったと思うよ。それを考えると、よくあきらめないで頑張った」


松山 最初は上手に操作ができなくて大変でした(笑)。御せないから、暴走されたりして。よく落馬していたのを覚えています。

斉藤 そうだったね。そういえば、松山くんはどうしてジョッキーになりたかったの?

松山 父親に「体が小さいから、ジョッキーを目指してみたら?」と言われたのがきっかけです。それで実際に乗馬に通っているうちに、すごく馬が好きになって。それからですね、本格的にジョッキーを目指して見ようと思ったのは。

斉藤 お父さんに言われたのがきっかけだったんだね。

松山 あの頃の僕は、乗馬センターに通うのがとてもうれしくて、毎週すごく楽しみにしていたんですよ。僕にとって、生きがいだったんです。

【次回のキシュトーークは!?】
怒られてばかりいた松山少年ですが、辞めようと思ったことはなかったそうです。ところが、一度だけ乗馬を嫌になった時期があったとか。その理由とは?

元祖「キシュトーーク」のレギュラー陣、国分恭介、国分優作、松山弘平、川須栄彦、高倉稜を中心に、栗東・美浦・地方からも幅広く、これからの競馬界を担うU25の若手ジョッキーたちが登場します!

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