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新潟記念はイメージに捕われずにこの穴馬に注目!

  • 2014年09月04日(木) 18時00分


まずしてほしいのは「頭のリセット」

担当編集者(以下、編) 石橋さん、新潟記念ですよ、新潟記念。超楽しみじゃないですか?

石橋 武(以下、石) なに、新潟記念好きなの?

編 だって夏の終わりのハンデ重賞ですよ? 嫌いな人がいるんですか?

石 夏の終わりのハンデ戦(笑)。情緒的な話なのか馬券的な話なのかどっちなんだ。

編 え〜、馬券的なほうですね(笑)。高配当が欲しいっす。

石 だったら新潟記念だけじゃなくて、次の新潟開催に目を向けておきたいよね。

編 あ、そうか。今年は中山じゃなくて新潟が続くんだった。でも次の新潟開催は高配当が期待できるんですか?

石 もちろん全部が全部というわけじゃないけど、例年よりは期待できる状況だよね。だっていつもは中山で行われているレースを新潟でやるわけだからさ。コース形態が違うから、レースの傾向も変わってくるでしょ?

編 そうなりますよね。

石 ただ、多くのファンって、たとえば例年のスプリンターズSの傾向はこうだから今年も……とかって考えがちなんだよね。専門紙なんかでもそういう考えが残っているところもあるし。

編 たしかに。競馬場は違うのに、あまりそこは意識せずにレース単位で見てしまうという。僕も気をつけないと。

石 でしょ? たとえば今言ったスプリンターズSについて言うと、中山芝1200mは下り坂スタートで、道中は速いペースで流れるんだけど、最後に特有の急坂が待ち構えている。だから一定以上のスピードを持続させて粘り切る能力に長けた馬が結果を出す。簡単にいうとダートでも走れるような馬がいい。

編 たしかにダートで実績がある馬はいいですよね。血統的にもクロフネ産駒が活躍していたり。

石 まあ、血統は専門の方にお任せするとして、で、一方の新潟芝1200mは平坦をずっと回ってくるから、そこまでの我慢強さはいらないんだ。基本的には素軽いタイプ、スピードのある逃げ・先行馬が有利なコースだけど、夏からずっと使われて、スプリンターズSが行われるのは10週目。馬場も荒れてくるだろうし、メンバー次第では差し馬の台頭も気にする必要があるよね。

編 なるほど〜。これだけ傾向が違うと例年と同じタイプを狙うというわけにはいきませんものね。

石 それともうひとつ楽しみがあって、9月といえばトライアル戦、前哨戦が始まる時期でもあるよね。

編 ええ。

石 たとえばセントライト記念。このレース自体も例年と傾向が変わるというのはさっき説明した通りなんだけど、こういうトライアル戦の場合、本番の菊花賞にも影響が出てくるでしょ?

編 ああ、そうか! いつもはセントライト組は菊花賞でいらないとか判断していたものが、打って変わってセントライト組は買い!という評価に変わる可能性があると。今の買い!とかは適当に言いましたけど。

石 そうそう、そういうこと。

編 たしかにそういうケースが多発するということは、高配当も期待できますよね。

石 そのぶん、難しいとも言えるんだけどね(笑)。

編 ま、そこは石橋さんに任せてれば大丈夫でしょ(笑)。

石 ま、レースごとの細かい話はこの対談とか、勝負予想でもお伝えしていくので楽しみにお待ちいただければと。

編 そうですね。と、ここまで色々とお話しいただいたんですが、実は今週のレースについてまだ何も話していないという(笑)。

石 そうだった(苦笑)。え〜と、新潟記念だっけ?

編 よろしくお願いします! 新潟記念はどういう穴馬を狙っていけばいいですか?

石 どういう穴馬というか、まずしてほしいのは頭をリセットすること。

編 リセット……と言いますと?

石 このレースって外回りの新潟芝2000mで行われるから、やっぱり長い直線とか、速い上がりとかそういうイメージが強いと思うんだよね。

編 そうですね。実際、去年のこのレースは速い上がりを繰り出した馬が上位を独占していますし。

石 たしかに去年はね。ただ、近5年の結果まで広げてみると、速い上がりを使う馬ってさほど好走が多いわけじゃないんだ。

編 ……たしかに。イメージと違って先行馬が多く好走していますし、上がりもそんなに求められてないですね。

石 でしょ? 瞬発力よりもむしろ追ってバテない粘っこさというか、持続力が必要なレースなんだ。

編 具体的にはどの穴馬がいいです?

石 たとえばクランモンタナ。全然切れるタイプじゃないんだけど、直線の長い東京、中京、新潟で先行からバテずに好走しているよね。

編 ええ。

石 それに加えて阪神の坂をこなしていたりと、まさに「切れないけどバテない」というのを体現しているような馬なんだ。今回は昇級緒戦とはいえ、ハンデ戦で斤量も軽いだろうし、好勝負が期待できるよ。

編 なるほどね〜。

石 続いてはニューダイナスティをチェックしておこうか。

編 あ、去年の新潟記念でも先行して5着に善戦したんですよね。

石 うん。スタートで躓きながらもね。2走前には切れがほぼ必要とされない福島芝2000mで2着に好走しているように、こういう持久力勝負にはかなり向いているよね。

編 3走前には陣営がダートを試したくなっちゃうくらいですからね。

石 まあ、あのダート戦は切れる脚がないから挑戦したのかどうかはさておき、ただ(持久力勝負になりやすい)ダートでも走れるだろうという判断があったのはたしかだからね。

編 そうですよね。

石 2走前に重賞でも2着に好走できたように、成長とともに力をつけてきているし、去年以上の走りが期待できるよ。

編 あとはどの穴馬がいいですか?

石 カルドブレッサも面白いよ。

編 先行馬ではないですけど、それはいいんですか?

石 もちろん。さっき言ったようにイメージをリセットして先行馬に意識を置いておくのはすごく大切だけど、先行馬だけが馬券に絡んでいるわけじゃないからね(笑)。

編 たしかに(笑)。では、カルドブレッサのどのあたりを評価したんですか?

石 スパっとは切れないけど、息の長い末脚を使えるからね。

編 ただ近走の成績がちょっと……

石 着順だけ見ればね。ただ、今回と同じ新潟芝2000m外を走った2走前は完全に脚を余していたし、中山金杯だってはっきり言って乗りヘグリ。重賞で勝ち負けできるだけの能力は示しているんだ。

編 しかもハンデ戦となれば好勝負できると。

石 うん。斤量もおそらく2走前の55キロのまま据え置きになると思うし、スムーズに追ってくれれば好走できる。そういう意味では、乗り替わりもプラスに出るだろうしね。

編 わかりました。いずれの穴馬も期待できそうですね。

石 そうだね。週末がかなり楽しみになるレースだよね。とにかく9月の開催に弾みをつけられるようないい予想ができればと。

編 はい、期待してます! では週末もよろしくお願いします。ありがとうございました。

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1964年東京生まれ。2012年12月『単勝二頭流』(東邦出版・発行)で、競馬本作家としてデビュー。パチンコからパチスロ、麻雀、競馬、競艇、競輪、果ては株や先物取引、FXまで手広く(?)手がける根っからのギャンブラー。一時期、競馬から遠ざかったこともあったが、3連単の発売を機に復帰。現在は、最も儲かるという競馬を主戦場に選んでいる。独自の理論「単勝二頭流」の構築後も、さらなる飛躍を目指して切磋琢磨する日々。

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