新潟でGIといえば思い出すビリーヴ…その娘が/トレセン発秘話
◆ビリーヴの子フィドゥーシアに騎乗した武豊「まだトモが緩くてこれだけ時計が出るとは…」
中山競馬場の改修工事の影響で、今週からの秋競馬も関東エリアは引き続き新潟競馬場で開催される。JRAホームページには今回の開催の宣伝に「12年ぶりGI開催」とあって、あのビリーヴが新潟で行われたスプリンターズSを勝ってからもう12年たつのか、とビックリさせられた。
直前の準オープン→セントウルSに岩田が騎乗したら別馬になったかのような圧勝の連続(ビリーヴを覚醒させたのは岩田と松元調教師も常々語っていた)だったことや、当時の岩田はまだ兵庫県競馬所属であり、本番のスプリンターズSには乗れなかったこと、代わりに騎乗したのが武豊で直線で前が詰まりそうになるところを瞬時の判断でわずかに空いた内ラチとの間を鋭く抜け出して初GI勝ちを決めたこと…今でも鮮明に覚えている。あれから12年。坂路野郎も年を取ったわけである。
「お前な、ビリーヴの子(ファリダット)が今年9歳で引退したんやぞ。そりゃ12年もたつやろ」とはビリーヴを担当していた吉田厩務員。そんな話を聞けば確かにそうだと思う次第だ。
そんなビリーヴをGI馬にした「秋の新潟開催」が行われるこの9月、ビリーヴの子フィドゥーシア(牝=父Medaglia d'Oro・松元)が新馬デビューを迎えるという。入厩当初はトモが緩々でどうなのかなという印象だったが、1週前追い切りで坂路4ハロン51.2-12.0秒の好時計をマーク。騎乗した武豊は「まだトモが緩くてこれだけ時計が出るとは…」と驚いていたとか。
先日、吉田さんの自宅にお邪魔して“家飲み会”をした時に、しみじみ「俺ももうひと花咲かせたいんや」と語っていた。何やらそのチャンスがやってきたようで、日曜(14日)阪神の芝外1600メートル新馬戦が今から楽しみである。
(栗東の坂路野郎・高岡功)