トレヴはヴェルメイユ賞から
札幌、小倉、そして夏の新潟開催が終わって、今週からは秋競馬。約3カ月に及ぶGIシーズンがもうすぐ始まります。
日本勢3頭が挑む凱旋門賞も、いよいよ3週間後に迫りました。今週はフランスとアイルランドで重要な前哨戦が行われます。日本馬が出走しないためか、あまり話題になっていませんが、どれも本番を占う上で大事なレースです。そこで、予めメンバーをチェックしておきましょう。
まず、14日にフランス・ロンシャン競馬場で行われるのが、もうすっかりおなじみとなったニエル賞とヴェルメイユ賞、それにフォワ賞です。
3歳限定のニエル賞には、凱旋門賞に登録のあるギャランテ(父モンジュー。7月、パリ大賞典・GI優勝。通算5戦3勝。A.ファーブルきゅう舎)、エクトー(父ハリケーンラン。8月、フォンテーヌブロー賞・GIII優勝。通算6戦5勝2着1回、5連勝中)が出走を予定しています。
牝馬限定戦・ヴェルメイユ賞の登録馬には凱旋門賞のディフェンディングチャンピオンで前売り1番人気のトレヴの名前があります。去年、オルフェーヴルの“夢”を打ち砕いた同馬ですが、今年は4月の仏ガネイ賞・GIで2着、6月の英プリンスオブウェールズS・GIで3着と、2戦して未勝利。今回はこれといった強敵が見当たりませんので、スッキリ勝って本番に弾みを付けたいところでしょう。
4歳以上の古馬によるフォワ賞の注目馬はスピリットジム(父ガリレオ。牡4歳)。去年のニエル賞でキズナの6着に惨敗しましたが、その後に出走したドーヴィルの準重賞から今年6月のサンクルー大賞典まで5連勝してきた上がり馬です。これが、去年の凱旋門賞7着のルーラーオブザワールドや同8着のフリントシャーと相まみえることになっています。
一方、アイルランドのレパーズタウン競馬場では13日にアイリッシュチャンピオンS・GIが行われます。このレースの本命は、今年の英、愛ダービーの2冠を制覇、さらに先月の英インターナショナルSにも優勝して3連勝中のオーストラリア。凱旋門賞への出走は未定の同馬ですが、前売りオッズではトレヴに次ぐ2番人気に推されています。ここを勝ってもすぐに次走に関する結論は出ないかもしれませんが、その話は別として、今年の3歳ナンバーワン牡馬が出てくるんですから、要チェックです。
また、同日に行われる愛メイトロンS・GIにはタペストリー(父ガリレオ。牝3歳。A.オブライエンきゅう舎)が出てくるはずです。この馬は、前走のヨークシャーオークス・GIで、今年の英オークスとキングジョージを連勝したタグルーダを破って優勝した“超新星”。凱旋門賞にも登録があるだけに、ちょっと気にとめておきましょう。
これらのレースが終われば、凱旋門賞へのカウントダウンが始まるわけですね!