スマートフォン版へ

サトノノブレス、ワンアンドオンリー、トーセンスターダムなどオールカマー、神戸新聞杯分析

  • 2014年09月24日(水) 18時00分


秋華賞、菊花賞においては、トライアルで「仕上げ不足」だった馬の一変に期待しています

 先週の冒頭に「ローズSのヌーヴォレコルトはとても休み明けの一戦とは思えない調整過程」ということを記しましたが、中身が出来ているからこそ、あれだけの強いレースができたのではないかと思います。それはセントライト記念のイスラボニータに関しても同様。どちらも盤石のレースぶりでトライアルを終えることができました。

 2頭に共通していたのは、8月からきっちり時計を出し、1週前追い切りの時点では素晴らしい動き、時計をマークしていたこと。GIホースがそれだけの調整を行っていれば、結果が出て当然ではありますよね。逆に言えば、秋華賞、菊花賞においては、トライアルで「仕上げ不足」だった馬の一変に期待しています。特にローズSには、注目すべき馬がたくさんいたように思いますが。そのあたりは当週のコラムにて。

【オールカマー/サトノノブレス】

 2週前追い切り、1週前追い切りとCWでの併せ馬の動きが相手に見劣った中間の追い切り。それだけに、最終追い切りがどのような動きか注目していましたが、なにより驚いたのは、最終追い切り場所が坂路になったこと。

 最終追い切り場所が坂路になることは初めてではありません。2歳時も含めて、過去4回ありますが、勝ったことはありません。にもかかわらずというか、変化を求めての坂路追い切りの変更だと思います。時計は4F53.0〜3F38.6〜2F24.3〜1F11.8秒ですから、素晴らしい内容であることは間違いありません。ただ、この追い切り場所をどう評価するか。

サトノノブレス(9月23日撮影)

内容は素晴らしいが、最終追い切り場所が坂路だったことに驚いたサトノノブレス(9月23日撮影)



【オールカマー/アロマティコ】

 クイーンS後は、ノーザンFしがらきに放牧へ出て、栗東へ帰厩したのが、9月3日。夏場使われていたということもあり、放牧明けというよりは、疲れはリフレッシュして、走れる状態をキープしているという感じ。坂路での追い切りは、帰厩最初からきっちり動けていて、最終追い切りを迎えることができました。

 最終追い切りには水口優也騎手が騎乗(レースでは三浦皇成騎手が騎乗)。テンゆっくりと入って、折り合って道中を進めて、時計は4F53.2〜3F38.4〜2F24.4〜1F12.0秒。素晴らしい加速ラップが踏めており、状態に関しては文句ありません。

アロマティコ(9月23日撮影)

素晴らしい加速ラップが踏めており、状態に関しては文句なしのアロマティコ(9月23日撮影)



【神戸新聞杯/ワンアンドオンリー】

 日本ダービー直後に考えていたローテーション通り、8月下旬に栗東へ帰厩し、神戸新聞杯から始動するというプラン。ここまで何事もなく、順調に進んでいるように見えますが、正直、追い切りの動きはどうなんだろう、と個人的には疑問符が付いています。

 1週前は横山典弘騎手が跨って、ダノンマックインを追走する坂路での追い切り。なんとか相手に同入して、4F52.5秒という動きでしたが、最終追い切りはダノンマックインに追いつくことができず、4F53.8〜1F13.2秒でフィニッシュ。ダービーの最終追い切りでも併せ馬は手応えが見劣っていただけに、それと比較すれば、今回も気にすることはないかも知れませんが、客観的に4F時計を見ても高い評価はできないと思います。

ワンアンドオンリー(9月23日撮影)

追い切りの動きはどうなんだろう、と疑問符が付いているワンアンドオンリー(9月23日撮影)



【神戸新聞杯/ヴォルシェーブ】

 前走芦ノ湖特別を勝った後は、すぐに放牧。秋の始動を神戸新聞杯と決めて、調整が進められてきました。その結果、馬の成長が促されたようで、春とは違う中身の詰まった走りができるようになった印象。2週前追い切り、1週前追い切りに騎乗した岩田康誠騎手が笑顔だったのは、それが要因ではないかと思っています。

 最終追い切りはやりすぎを避けるため、持ち乗り助手が跨って単走。それでも時計は出てしまい、6F81.6〜5F66.9〜4F52.3〜3F38.7〜1F12.4秒。折り合いを欠いた時計ではなく、普通に走って、普通に出た時計。ただ、春と変わらず、ためて切れるようなタイプではないだけに、スローの瞬発力勝負になれば、分が悪くなりますが、ウインフルブルームの存在が本馬の攻撃力を後押しすることになりそうです。

ヴォルシェーブ(9月24日撮影)

夏の放牧で馬の成長が促され、春とは違う中身の詰まった走りができるようになったヴォルシェーブ(9月24日撮影)



【神戸新聞杯/トーセンスターダム】

 最終追い切りは持ったまま、軽く仕掛ける程度で併せ馬先着が好走パターン。それで、京都2歳S、きさらぎ賞と連勝していましたが、皐月賞と日本ダービーはメイチに追われて併せ馬先着、そういったパターンで惨敗しています。

 ちょっとしたことですから、単純にGIで負けていただけ、という見方もできるでしょう。ただ、今回の最終追い切りは目一杯に追われなかったものの、トーセンレーヴに先着することができませんでした。能力は軽視できないものを持っていると思いますが、追い切り内容からイチオシできるまでの内容ではありません。

トーセンスターダム(9月24日撮影)

能力は軽視できないものを持っていますが追い切り内容からイチオシできないトーセンスターダム(9月24日撮影)



◆次走要注意

・9/20 阪神 2歳新馬【メイショウヒマワリ】(5人/8着)

 最終追い切りでは、新馬らしからぬ、きれいな加速ラップを踏んでおり、走り方は上手な馬だと思います。ただ、レースは後方から見せ場のないままに終わりました。
 ただ、全能力を出す場面もなかった今回ですから、ひと叩きした次走は変わってくるはず。

[メモ登録用コメント] [芝マイル]最終追い切りが坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・9/21 阪神 ローズS【サングレアル】(3人/9着)

 馬体は406キロで増えていましたが、個人的には締まりがなく、あまり良い印象ではありませんでした。だからこそ、最終追い切りのCWでも動きが目立っていなかった、そのように判断しています。
 数字的には増えているだけに、このひと叩きでぐんと良化するはず。それは中間の併せ馬で判断できると思いますし、そうなれば、秋華賞での激走一番手といったところでしょう。

[メモ登録用コメント] [秋華賞]最終追い切り併せ先着なら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・3歳上500万下【サクラヴァローレ

 前半をゆったり進めた上に、ポリトラック馬場ということもあって、走りやすい状況ではありました。しかし、10.9秒のラスト1Fは秀逸の伸び。これだけのスピードがあれば、芝もダートも問わないのではないでしょうか。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング