▲高松宮記念制覇で喜びの顔を見せる陣営、左が宮調教師
高松宮記念をどう評価するか
国内外のスプリント戦線で絶対的な存在感を見せつけてきたロードカナロアが現役を引退。主役なき2014年高松宮記念は、朝から降り続けた雨の影響で不良馬場でのゲートイン。そんな馬場状態も混戦模様に拍車をかけた。
蹴り上げた蹄から芝の塊が飛び散る泥んこ馬場をものともせず、先行策からあっさりと抜け出したコパノリチャード。後続に3馬身差を付ける圧勝劇を見せた新王者だが、その勝ち時計1分12秒2は、同日・岡崎特別(1000万下)を0秒4だけ上回ったというものだった。
不良馬場とはいえ過去19回の高松宮記念で一番遅かったこのタイムをどう受け取るか。それとも、初めてのスプリント戦にしてGI圧勝というパフォーマンスを見せた距離適性を素直に評価するべきか。それが今回のスプリンターズSで問われることになる。
「そうやってみんなが半信半疑に思っているのなら、それはそれでいいんちゃうかな。逃げ馬やから、こっちとしてはあまり人気になってほしくないもんね。(その前の)阪急杯でえらい強い勝ち方をしてくれたし、このときに高松宮記念でも勝つんじゃないかと思ったけどね」
自信たっぷりに笑みを浮かべる宮師。信頼していた我が子が期待通りの走りを見せたこと、それがこの余裕につながっている。
▲初の1200m戦、しかもGIの舞台で圧勝という快挙
▲高松宮記念での鞍上M.デムーロ騎手、喜びの飛行ポーズ
高松宮記念の後に出走した京王杯スプリングCは7着。内枠から難なく先手を奪い、道中も自分のリズムで運べたものの、成績はふるわなかった。
「動きは良かったけど、絶好調やった阪急杯や高松宮記念ほどの出来じゃなかった…ってことかな。担当スタッフもその辺りのことを感じてたみたいやしね」
高松宮記念でタフな馬場を走った疲れがあったのか。その歪みは、レース後しばらくして目に見える形で現れた。右トモに筋肉痛を発症。夏は函館スプリントSを使ってから放牧…というプランだったが、そのまま放牧に出されることになった。ただ、症状としては軽いもので、当初はレースに使うプランも残しながら調整していた。
「放牧へ出すにしても北海道へ行くわけやし、その辺りは様子を見ながら進めていたんやけどね。放牧先の小国ステーブルでは2〜3週ほど楽をさせて、その後は至って順調に乗り込めた。リフレッシュしていい状態で帰ってきた」
栗東トレセンには9月10日に帰厩。前哨戦には使わず、スプリンターズS直行になったが、その点で不安はないのだろうか。
「いったん休ませていた馬と、順調に使っている馬との差はどうしてもあるからね。高松宮記念では絶好調と言える状態やったけど、今回は休み明けでの参戦になるわけやし、できれば夏場に1度使っておきたかったという気持ちはあるかな。それでも、無理に急がせることはないということで、早い段階からここへ向けて仕上げてこられたからね」
“今回はハナに”これは書いてくれていい!
高松宮記念以来、2度目となる1200m戦。指揮官はリチャードのスプリントへの適性をどう感じているのか。
「3歳のクラシックは特別やし、ダイワメジャー産駒やからうまく息さえ入ればもつと思ってた。そのころは長めの距離をもたせるように作ってたしね。人間が思っていても外れていることはいっぱいあるし、決めつけるのは良くない。試していくことは大事やと思うからね。ただ