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11年10着のヒルノダムールを思い出す「素直なゴールドシップ」が心配/トレセン発秘話

  • 2014年10月01日(水) 18時00分


◆ヒルノダムール昆調教師「広大で静かな調教場なんかに日本の馬が行くと、馬が放牧に出されたと勘違いして…」

 仏シャンティイ調教場のリヨン坂路で1週前追い切りを行ったゴールドシップについて横山典が口にした言葉に不安がよぎった。いわく「こんなに素直なゴールドシップは初めて。落ち着きがあり、リラックスしている」。どこが不安なんだと突っ込まれそうだが、その理由はヒルノダムールで2011年凱旋門賞(10着)に挑戦した昆調教師から以前こんなことを聞かされていたからだ。

「シャンティイみたいな広大で静かな調教場なんかに日本の馬が行くと、馬が放牧に出されたと勘違いして落ち着き過ぎるというか、気が抜けたような状態になってしまうんだ。だから向こうに行って日本にいる時以上に落ち着いているなんていうのは実は危険なサインであることの方が多い」

 坂路野郎もメイショウサムソンの08年凱旋門賞(10着)挑戦の際、現地に行った経験があるが、確かにシャンティイは自然の森の中にある、とてつもなく広く、静寂な調教場であり、機能的かつ集団的に調教が行われるトレセンとは180度タイプが違う。こんなところに日本の馬が初めて行けば、競馬モードの緊張感から解き放たれて闘志が抜け落ちてしまう恐れがあると感じた。

 今回は現地に行っているわけではないので「素直なゴールドシップ」の詳しい状況は分からないが、もし落ち着き過ぎている状態だったとしたら…。単なる杞憂に終わってほしいものだ。

 とにもかくにも凱旋門賞は日本のビッグ3が歴史を変えるかもしれないという意味で、スプリンターズS以上に重要なレース。土日の競馬をなんとかプラス決算で乗り切り、優雅にワインでも飲みながらテレビの前で現地に声援を送るつもりだ。
 (栗東の坂路野郎・高岡功)

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