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ウィスパーノット(牡 栗東・池江泰寿 父Elusive Quality、母ウィルビーゼア)
母ウィルビーゼアは栗東に所属しクイーンC(GIII)3着などの成績を残し、日本で繁殖入りしオビーディエント(父シンボリクリスエス/1000万下)など2頭の子を産んだあと2010年に渡米。本馬はアメリカにおける初子となる。父Elusive QualityはGone West系で、現役時代に芝8ハロンで1分31秒6の世界レコード(当時)を樹立。種牡馬としても成功し、04年にはSmarty Jones(ケンタッキーダービー-米G1、プリークネスS-米G1)の活躍により米チャンピオンサイアーに輝いた。「Elusive Quality×サンデーサイレンス」の組み合わせからは、UAEオークスを勝ったDevoteeとRaihanaが出ている。芝・ダート兼用のマイラー。
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グレアチャネル(牝 栗東・平田修 父ゼンノロブロイ、母グレースランド)
ドリームパスポート(父フジキセキ/06年神戸新聞杯-GII、06年きさらぎ賞-GIII)、ラウンドワールド(父ディープインパクト/12年札幌2歳S2着-GIII)、セイクリッドセブン(父フジキセキ/OP)の4分の3妹。母グレースランドはステイゴールド(01年香港ヴァーズ-香G1、01年ドバイシーマクラシック-ドバイG2)の半妹、レクレドール(04年ローズS-GII、05年クイーンS-GIII)の半姉にあたる。「ゼンノロブロイ×トニービン」はハートビートソング、ギンザボナンザ、モンテエンなどの活躍馬が出ており悪くない。芝向きの中距離タイプ。
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サダムブルーハワイ(牝 栗東・藤岡健一 父ハービンジャー、母ショウナンタレント)
福島2歳S(OP)を勝ったエルカミーノレアル(父キングカメハメハ)の半妹。母ショウナンタレントはフラワーC(GIII)の勝ち馬で、母の兄弟にあたるショウナンアルバは共同通信杯(GIII)を勝ち、ショウナンパルフェは青葉賞(GII)で2着となった。勢いのあるファミリーなので注目してみたい。「ハービンジャー×アグネスタキオン」なので芝中距離向き。現時点で勝ち上がったハービンジャー産駒は母の父がすべてサンデーサイレンス系なので、本馬はこの条件に当てはまっている。芝向きの中距離タイプ。
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ショウナンラージャ(牡 栗東・須貝尚介 父ディープインパクト、母ショウナンラノビア)
母ショウナンラノビアはヴィクトリアマイル(GI)3着など7歳まで息の長い活躍をした。本馬はその初子。「ディープインパクト×フレンチデピュティ」という配合はJRAで出走した24頭中19頭が勝ち上がり、カミノタサハラ、ウリウリ、ボレアス、マウントシャスタ、アヴニールマルシェなど多くの活躍馬が出ている。この配合は2代母の部分にヨーロッパ色の強い血を入れるとうまく行く傾向が見られる。本馬はこの条件を満たしているので手堅く走ってきそうだ。
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ナリタイナズマ(牡 栗東・木原一良 父ハービンジャー、母ナリタシークレット)
母ナリタシークレット(父フジキセキ)はOPクラスまで出世したスピード馬。3代母フレイムオブパリは、Alydaress(89年愛オークス-愛G1)、Park Appeal(84年英・愛2歳牝馬チャンピオン)、Desirable(83年チェヴァリーパークS-英G1)の半妹にあたる良血。父ハービンジャーは母方にTom Foolやそれに似た構成の血を入れたいところだが、2代母フラワースカイにはそれに合致するFlaming PageとSpring Runが入っているので好感が持てる。母はスプリント路線で活躍したのでスピード面の心配はなさそうだ。芝向きの中距離タイプ。
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ネオアトラクション(牡 栗東・矢作芳人 父モンジュー、母Attraction)
母Attractionは英1000ギニー(英G1)、愛1000ギニー(愛G1)、コロネーションS(英G1)、サンチャリオットS(英G1)、メイトロンS(愛G1)と5つのマイルG1を制した名牝。父MontjeuはGalileoと並ぶSadler's Wellsの後継種牡馬で、とくに芝12ハロン路線のビッグレースで本領を発揮する。母のこれまでの産駒成績はもうひとつで、父モンジューもヨーロッパ向きのスタミナタイプ。日本の芝に向いたタイプとはいえないが、これだけの良血馬が日本で走ることは稀なので、どんな走りを見せてくれるのか注目したい。