例年とはひと味違った騎乗で、穴馬を激走させている国分優作ジョッキー。「あの馬のおかげで、今頑張れているのかなと思います」と、彼は言います。果たして、その馬とは!?
(取材・文/大薮喬介)
あの馬に出会えたことで、考え方が180度変わりました
――小倉2歳Sを勝った夜は、お祝いしたんですか?
優作 太宰先輩と大下先輩、それと恭介と一緒に、小倉でご飯を食べました。
――急きょ決まった食事会だったんですか?
優作 いや、小倉が最後の日だったので、一緒にご飯を食べる約束をしていたんです。楽しかったですね、終電まで飲んでいました。でも、20時くらいの新幹線ですよ。
――結構、飲みました?
優作 最初はビールで、そのあとは日本酒を。太宰先輩が僕を酔わせようとして、「ビールじゃなくて、日本酒を飲め!」と言うもので(笑)。結局、新幹線の中でも飲みましたし。意外と乗客が少なかったので、騒ぎすぎたかもしれないです(苦笑)。
――重賞を勝った日ですし、たまにはいいじゃないですか(笑)。小倉はどこで飲まれたんですか?
優作 三隈という鍋屋さんです。
――ああ、この前、高倉ジョッキーもオススメしていた店ですね。
優作 アラ鍋をおいしくいただきました。
――何にせよ、次のファンタジーSが正念場ですね。
優作 ええ。ワンアンドオンリーのようなことがないようにしないと。
――ああ、そういえば、優作ジョッキーは、新馬から萩Sまでワンアンドオンリーに乗られていましたよね。
優作 ラジオNIKKEI杯2歳Sを勝ったときは、もうショックで…。正直、新馬戦で乗せていただいたときは、まさかダービーを勝つまでの馬になるとは思っていなかったんです。
――橋口先生も、同じようなことをおっしゃっていましたね。
優作 それに、いつかはそういったGIを勝てるような馬に出会うだろうとは思っていたんですが、まさかこんなに早く出会うとは考えてもいなくて…。自分が気づけなかった部分がたくさんあって、すごく悔しかったです。
――でも、貴重な経験をしたんじゃないですか? 後のダービー馬の背中を知っているわけですし。
優作 確かに貴重な経験をさせていただきました。それにあの馬に出会えたことで、考え方が180度変わりましたから。ラジオNIKKEI杯2歳Sの頃はもう必死でトレーニングをしていましたね。次にGIを獲れるような馬に出会えたときは、一緒にGIまで行けるようにしっかりと実力をつけるんだって。そんな気持ちにさせてくれた、ワンアンドオンリーにすごく感謝しています。
――ワンアンドオンリーとオーミアリスの共通点はあります?
優作 タイプはまったく違いますけど、緩さというか、未完成な部分は似ていると思います。
――じゃあ、このまま順調に成長してくれたら、楽しみですね。
優作 ええ、すごく楽しみです!
――そうそう、これで『キシュトーーク』のメンバーは全員重賞を勝ったことになるんですよね。
優作 僕よりも周りがすごく喜んでくれたので、本当に勝ってよかったですよ。このコーナーのメンバーは、まだ誰もGIを勝っていませんもんね。
――ええ、スーパースターになるまで追い続けます!
優作 そうなるといいですよねぇ。例えばですけど、GIで僕と恭介がワンツーを決めたら、話題になりますよね。
――いいですねぇ。期待しています!
優作 もちろん、勝つのは僕のほうですよ(笑)。
もちろん、勝つのは(恭介ではなく)僕のほうですよ(笑)
【次回のキシュトーークは!?】
今年の1月から夏にかけての成績を振り返ると、超人気薄で馬券に絡んでいることが多い国分優作ジョッキー。なぜ、超人気薄を激走させることができるのか? 本人に直接聞いてみました。穴馬が好走しやすい競馬場、好走しにくい競馬場はどこ!?