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週刊サラブレッド・レーシング・ポスト

  • 2004年01月20日(火) 15時00分
 アイルランドのトップジョッキーで、日本でもお馴染みのジョン・ムルタ騎手が、2004年はニューマーケットのデヴィッド・ローダー厩舎の主戦として騎乗する事が明らかになった。

 ジョン・ムルタと言えば、アガ・カーン殿下のアイルランドにおけるメインステーブルであるジョン・オックス厩舎の主戦として活躍。リーディング獲得3回に加え、00年にはシンダーで英愛ダービー+凱旋門賞を制覇。03年もアラムシャーとのコンビで愛ダービー、キングジョージを制した、押しも押されぬトップジョッキーである。ところが03年6月のロイヤルアスコットで落馬負傷した事をきっかけにして、デビュー当時苦しんだ体重問題が再燃。昨年のシーズン後半は、コンスタントな騎乗が出来ない状態に陥っていた。

 結局、03年のシーズンが終了した段階で,ムルタとオックスは長年にわたる師弟関係に終止符を打つ事を決断。オックス厩舎の04年の主戦には、03年シーズンの終了をもってエイダン・オブライエン厩舎との騎乗契約を解消したマイケル・キネーンが座ることになり、04年のムルタは、体重と相談しながらフリーな立場で騎乗することになると言われていた。

 ところが、そのムルタに食指を伸ばしたのがデヴィッド・ローダーだった。シェイク・モハメドの2歳部門の専属トレーナーとして5シーズンを過ごした後、04年から再びパブリック・トレーナーに戻ることになったローダー。その手腕を見込んでサポートを申し出る馬主が相次ぎ、管理頭数150頭という大所帯で新生ローダー厩舎はスタートを切ることになった。

 そうなると、当然のことながら心配になってくるのが、乗り役の手当てだ。これだけの頭数になると『専属』もしくは『優先』という形で騎乗してくれる騎手の存在が不可欠。そこで、04年はフリーランスとして騎乗するプランを発表していたムルタに、白羽の矢を立てたわけだ。

 ムルタとローダーの間で交わされた契約の内容は完全なる『専属』ではなく、英国で騎乗する際にはローダー厩舎の馬に優先的に騎乗するというもの。アイルランドでの騎乗も継続する予定で、その辺りの仕切りは、04年から新たにムルタのエージェントとなった元騎手のレイモンド・コックレインが行う事になった。コックレインと言えば、ゴドルフィンと優先騎乗契約をしているフランキー・デトーリや、04年からエイダン・オブライエン厩舎の主戦となったジェイミー・スペンサーのエージェントも務めている男だ。3人のトップジョッキーの騎乗馬がその裁量に委ねられることになったコックレインは、04年の欧州競馬におけるキーパーソンのひとりになったと言えよう。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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