【栗東】
◆ケースバイケース(牝、父Sea The Stars、母Vodka、栗東・角居勝彦厩舎)
母は2008年天皇賞(秋)など、GIを7勝したウオッカ。今週は東京競馬場で「豪快な淑女・ウオッカカップ」が行われるということもあり、同日に行われる芝2000mでデビュー(鞍上は戸崎圭太騎手)することとなった。
全兄ボラーレは超大型馬でレースでの馬体重は580キロ。体をもて余すような形で、良績を残すことができなかったが「牝馬ということもあり、兄に比べると素軽さがありますし、柔らかさもあります」と角居勝彦調教師。超がつく良血馬だけに、どうしても注目を集めてしまうが「まだまだ緩さがあるので、初戦からというタイプではないと思います」と同師。とはいえ、個人的には、10月22日のCW追い切りでは、馬なりでマンボダンサーと同入しているので、かなり動きに余裕が出てきた印象がある。
◆アドマイヤスター(牡、父ディープインパクト、母アドマイヤマリン、栗東・友道康夫厩舎)
おじに北海道スプリントCなど、ダートで5勝(芝は1勝)を挙げているアドマイヤサガス(父フジキセキ)、おばに新馬、500万下をダート1400mで連勝したローブデソワ(父スペシャルウィーク)がいる血統。そんな背景もあって、本馬も11月1日(土)京都ダート1800mでのデビューが予定されている(鞍上は福永祐一騎手)。
10月16日の坂路では、4F54.0秒。アドマイヤサガスは坂路で4F51秒前後を楽にマークするくらい、攻め駆けするタイプだが、こちらは時計的に地味。ただ、その分、長い距離もこなせるのではないだろうか。
◆レッドベルダ(牝、父ディープインパクト、母エリモピクシー、栗東・安田隆行厩舎)
2011年スワンSを制したリディル、2014年京成杯AHなど重賞6勝のクラレント、芝で4勝を挙げているレッドアリオンといった活躍馬を兄に持つ。どうしても兄達との比較をされてしまうが「現状ではまだまだ」と安田隆行調教師。「間違いなくイイものは持っていると思いますが、まだ成長段階ですね」とのこと。
10月22日の坂路では、4F53.2秒、1F13.1秒。正直、ラスト1Fの伸びが足りない印象があるが、デビューに向けた最終追い切りはCWで行われるとのこと。トラック馬場でどのくらい動けるのか、じっくり見守ってみたい。11月1日(土)京都芝1600mを福永祐一騎手でデビューする予定。
なお、同厩舎で2013年セレクトセール1歳にて3000万円で落札されたステイゴールド産駒のオメガレイノワール(母ヴェストリーレディ)が、11月2日(日)京都芝1800mを藤岡佑介騎手でデビューする予定。
オメガレイノワール
◆ロカ(牝、父ハービンジャー、母ランズエッジ、栗東・今野貞一厩舎)
母の現役時代は未勝利。半姉カラエ(父キングカメハメハ)も3戦して未勝利に終わっているが、おじは2005年牡馬三冠を達成し、GIで7勝を挙げ、現在は種牡馬としても大活躍しているディープインパクト(父サンデーサイレンス)がいる血統。
10月22日にCWでレースで騎乗予定の和田竜二騎手が跨って、古馬ローブデソワとの併せ馬を行っている。先行していたとはいえ、その差を保ったまま、先着でゴール。6F80.2秒は新馬として水準以上の時計。血統の裏付けがあって、これだけ動けるようなら、11月2日(日)京都芝1800mのデビュー戦が楽しみ。
【美浦】
◆アフェットゥオーソ(牡、父ネオユニヴァース、母アコースティクス、美浦・萩原清厩舎)
6歳上の全兄ロジユニヴァースは2009年のダービー馬。叔父には現役の重賞ウイナーとして活躍中のランフォルセ、ノーザンリバーがいる。じっくりと乗り込まれ、ここ2週はウッドチップで70-40の追い切りを消化した。「ここまで十分に乗り込んでいるし、気性面にも特に問題はない。キャンターに下ろすと体を使って走るし、いい動きをする」と萩原調教師。11月2日、東京の芝2000mを横山典弘騎手で予定している。
◆シャドウチェイサー(牡、父ゼンノロブロイ、母マンボスルー、美浦・藤沢和雄厩舎)
Kingmambo産駒の母は北米のG3(芝8F、芝9F)を2勝。日本で走った産駒は2歳上の半兄レッドジャイヴが新馬勝ち、3歳上の半兄ブードゥーロアも勝ち上がっている。今開催の2週目にデビューさせるプランもあったが、じっくりと追い切りの本数を重ねてきた。「兄は気性的な難しさがあったようなので慎重に進めてきました。今のところ、そういう素振りは見せていません。動きの方も段々と良くなっているし、順調に仕上がってきたと思います」と津曲調教助手。11月2日、東京の芝2000mを柴田善臣騎手で予定している。
◆ブライトバローズ(牡、父キングカメハメハ、母ジェダイト、美浦・堀宣行厩舎)
一昨年のセレクトセール(当歳)にて5460万円で取引された。サンデーサイレンス産駒の母はOP特別・忘れな草賞の勝ち馬。その産駒は現3勝のサナシオンなど全て勝ち上がっている。「ひと追い毎に反応が良くなってきました。穏やかな性格で素直に動くし、ある程度の距離をこなせると思います」と渡辺調教助手。11月2日、東京の芝2000mを予定している。
◆ロートリンゲン(牡、父ローエングリン、母ホワイトペッパー、美浦・田中剛厩舎)
母はダートで2勝。祖母のレッドチリペッパーは重賞2勝(富士S、中山牝馬S)。1歳上の半兄アンプラグドは4戦目で勝ち上がっている。当初は2週目のデビューを予定していたが、ここまで待機。先週の追い切りはウッドチップで5F65秒台の好時計をマークした。「いい馬っぷりをしているし、しっかりと追えるだけの体力もある。まだまだ変わってくると思うし、もう少し背腰が強くなってくれば楽しみ」と田中剛調教師。11月1日、東京の芝1400mを三浦皇成騎手で予定している。