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蛯名正義騎手/天皇賞・秋『イスラボニータとの対決“フェノーメノの力を出すだけ”』

  • 2014年10月30日(木) 12時00分
激白

▲イスラボニータとはライバルに。フェノーメノで天皇賞・秋を狙う蛯名正義騎手


春の天皇賞でディフェンディングチャンピオンの貫録を見せつけ、春天2連覇を成し遂げたフェノーメノ(牡5)。夏の休養を挟んで、この秋の初戦が今週末に行われる天皇賞・秋となる。この後、ジャパンC、有馬記念に参戦を予定しているが、休養明け初戦となる天皇賞で、どのようなレースをするのかに注目が集まるところだ。1週前追い切りで自ら手綱を取り、フェノーメノの状態を確かめた蛯名正義騎手に、天皇賞への直行のローテーションや仕上がり具合、天皇賞への意気込みについて語ってもらった。(取材・文:佐々木祥恵)

直行ローテも「仕上がっている」


 10月23日(木)、フェノーメノの天皇賞1週前追い切りがポリトラックコースで行われた。いつもはウッドチップコースで行われる追い切りだが、この日は雨の影響で馬場状態が良くなかったことと、左回りの東京に合わせて、左回りのポリトラックコースで走らせたいという、指揮官の狙いがあってのコース選択だった。フェノーメノの黒い馬体は、ポリトラックコースで躍動した。併せた相手を直線で楽々突き放す余裕ある動きに、手綱を取った蛯名も手応えを感じているようだった。

「日経賞(GII・芝2500m・5着)の時が普通の休み明けではなかったこともあって、思ったよりも走れませんでした。でも今回は悪いところがあって休んでいたわけではないですから、同じ休み明けでも違います。夏にリフレッシュしてきたなというのを感じますし、ここまで余裕を持って調整しているところも、春の休み明けとは違うんじゃないかと思います」

 昨年のフェノーメノは、脚元の不安から秋のシーズンすべてを休養している。その休み明けとなった今年の春の日経賞前の追い切り後の取材では、確かに蛯名の口が重たかったという印象がある。その印象のまま、レースでもフェノーメノらしさが見られず、5着と敗退した。

 しかし今回は、蛯名の表情がいつになく明るい。同じ休み明けでも、日経賞前とは雰囲気がまるで違う。蛯名の様子から、何のトラブルもなく調整が進み、ジョッキー自身、直接感触を確かめた1週前の段階での仕上がり具合にも、全く不安がないことが伝わってきた。

 前哨戦を使わずに、強豪が顔を揃えるGIの舞台に直行というローテーションが気になるところだが、「仕上がっていると思いますよ。いつも休み明けは走るタイプですしね。1戦1戦、キッチリと一生懸命走る馬ですからね」と、この臨戦過程も全く意に介していないようだ。

 さらに3200mの春天を2連覇しているフェノーメノだが、3歳秋には古馬相手に秋の天皇賞で2着となっているように、距離の守備範囲も広い。過去の着順を見ても、どんな条件でも大崩れがほとんどない。正に万能と言ってもよい同馬だが、そのあたりを蛯名はどう感じているのだろうか。

「長い距離を走る馬は

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GIの注目馬にスポットを当て、主戦騎手や管理調教師を独占取材するnetkeibaのスペシャルインタビュー。GIに向けた意気込みや中間の調整過程、レース後に直撃し、戦いの舞台裏にあった知られざる真実を語っていただきます。

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