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アサクサハヤブサ(牡 美浦・加藤征弘 父ハービンジャー、母チューニー)
母チューニーは現役時代にクイーンC(GIII)を勝ち、オークス(GI)でも2着と健闘した。繁殖牝馬としてはトロワボヌール(父バゴ/14年JBCレディスクラシック-JpnI・2着)、フジマサエンペラー(父シンボリクリスエス/11年東京スポーツ杯2歳S-GIII・2着)を出している。本馬の父はハービンジャー。現時点でファーストシーズンサイアーランキングのトップを快走しており、JRAで14頭の勝ち馬を出している。勝ちっぷりに大物感のあるものも多く、社台スタリオンステーションにおける非サンデー系種牡馬の中心的存在として今後の活躍が期待される。勝ち上がった14頭すべてが母の父にサンデー系種牡馬を持ち、うち10頭は母の父サンデーサイレンス。本馬も「ハービンジャー×サンデーサイレンス」の良血馬なのでいいところがありそうだ。芝向きの中距離タイプ。
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ナリタノヘア(牝 栗東・小野幸治 父マンハッタンカフェ、母オースミマコ)
母オースミマコは通算32戦2勝と、さほど目立つところのない条件馬だったが、いとこに秋華賞(GI)とアルマクトゥームチャレンジラウンド3(首G2)を勝ったレッドディザイアがいる。レッドディザイアは父マンハッタンカフェなので本馬と同じ。つまりレッドディザイアと本馬は4分の3同血の関係にある。レッドディザイアの母の父Caerleonは父マンハッタンカフェとニックスなので、その位置にフレンチデピュティが入る本馬は配合的な見劣りは否めないが、じつは「マンハッタンカフェ×フレンチデピュティ」は連対率26%と優秀な成績を挙げている。芝・ダート兼用の中距離タイプ。
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ベストミックス(牡 栗東・松永幹夫 父マンハッタンカフェ、母ディアチャンス)
母ディアチャンスはマーメイドS(GIII)を勝つなど重賞でも活躍し、タイキシャトルの成功パターンであるNijinskyクロスを持っていた。本馬はその3番子。「マンハッタンカフェ×タイキシャトル」の組み合わせはマッハヴェロシティ(09年青葉賞-GII・2着、11年新潟大賞典-GIII・2着)、ウインスペンサー(準OP)、エイシンライダー(14年萩S-OP)などコンスタントに活躍馬が出ている成功パターン。4分の3兄ミルキーウェイ(父アグネスタキオン)は5戦してすべて10着以下と期待を裏切ったが、配合的には本馬のほうが期待できる。芝向きの中距離タイプ。
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ミッキージョイ(牡 美浦・萩原清 父ディープインパクト、母ルドラ)
母ルドラはフランスで7戦1勝。Saddex(08年共和国大統領賞-伊G1、07年ラインラントポカル-独G1)の半妹にあたり、Green Desert≒Aviance 2×2というユニークなクロスを持ち、Ahonoora、Irish River、Best in Showといったサポート血脈も優れているので繁殖牝馬として期待できる。父ディープインパクトはGreen Desert、Avianceと同じ構成(2代前にNorthern DancerとSir Ivorを併せ持つ)のAlzaoを持っているので、本馬はAlzao≒Green Desert≒Aviance 3×3・3という大胆な配合構成となっている。過去に例がないパターンなのでどのようなタイプに仕上がるのか興味深いところ。距離的にはマイル前後が合っているだろう。
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レサンシエル(牡 美浦・国枝栄 父キングカメハメハ、母バンドゥッチ)
母バンドゥッチは北米で5戦1勝。ソルティビッド(02年フェアリーS-GIII・2着)の半妹にあたる。ソルティビッドは繁殖牝馬として牝馬三冠馬アパパネを送り出した。アパパネはキングカメハメハ産駒。本馬は父キングカメハメハ、母バンドゥッチなので、アパパネと4分の3同血の関係にある。両者の違いは母の父の部分で、本馬はRossini、アパパネはSalt Lake。Rossiniは東京スポーツ杯2歳S(GIII)を勝ったサトノクラウンの母の父で、サトノクラウンの2代父ラストタイクーンはキングカメハメハの母の父でもあるので相性は悪くないだろう。芝向きのマイラー。