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西浦勝一調教師/チャンピオンズC(1)『ここを勝って、統一王者にしてあげたい』

  • 2014年12月04日(木) 12時00分
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▲ホッコータルマエを管理する西浦勝一調教師


今年から中京に舞台が移り、その名称も変わったダートの頂上決戦チャンピオンズカップ。第1回を飾るに相応しい、そうそうたるメンバーが顔を揃えた。その中でも、悲願のJRAGI制覇を目指して、日々鍛錬しているのがホッコータルマエだ。5つの交流GI勝利という勲章に加え、JRAGIを制して統一王者になれるのか――管理する西浦勝一調教師に、胸の内を語ってもらった。(取材・文:赤見千尋)

使うことで強さを増す“叩き上げ”根性


 昨年のジャパンカップダートでは、並み居る強豪を抑えて1番人気に支持されたホッコータルマエ。それもそのはず、2月の佐賀記念を制した後は、5連勝で帝王賞を勝ち、一気にダート王者へと上り詰めた。休み明けの南部杯こそエスポワールシチーの2着だったものの、続くJBCクラシックでは圧倒的な強さで逃げ切って見せ、押しも押されもせぬ最強馬となったのだ。ただ一つ足りないのは、JRAGIの称号だけ。その悲願を背負い、直線で先頭に立ったホッコータルマエだったが、惜しくもゴール前で2頭に交わされ、2年連続の3着に敗れた。

「悔しかったですね。手が届きそうだっただけに、本当に悔しかった…。負けたレースをどうこう言っても仕方ないですけど、JBCクラシックを逃げ切ったことが、ジャパンカップダートでの早め先頭に繋がったんだと思います。展開もありましたし、先頭に立った途端、急にソラを使ってしまった。外の2頭は、かなり勢いが良かったですから」

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▲最内がホッコータルマエ、勝利目前で敗れたジャパンカップダート


 そう言って、悔しさを滲ませた西浦調教師。さらに、今年のフェブラリーステークスでも悔しい2着を味わっているのだ。

「東京大賞典、川崎記念と勝たせてもらって、ジャパンカップダートの悔しさはだいぶ晴れたんですけど。フェブラリーステークスでは、今度は前の馬(コパノリッキー)にやられてしまった…。あの時は、前に居るコパノリッキーよりも、後ろから伸びて来る馬を警戒していましたから。これが競馬です。GIはみんなが獲りたいレースですから、簡単には勝たせてもらえませんね」

 ダート王者と呼ばれながら、未だJRAGIに手が届いていないホッコータルマエ。ここに来て足踏みをしているようにも見えるが、これまでの成長過程を見てみると、必ずしも順調に上って来たとは言いがたい。昨年2月の佐賀記念を勝つ前は、『善戦マン』『勝ち切るにはワンパンチ足りない』というのが多くの評価だったのではないだろうか。

「佐賀記念を勝ったことは、大きなターニングポイントになりました。それまではいくら調子が良くても、賞金の関係で使いたいレースに使えなかったんです。だから、出走出来るレースありきで調整するしかなかった。でも佐賀記念を勝ってからは、しっかりと目標を決めてそれに向かってトレーニングが出来るようになって。そこからは、馬もハードなトレーニングによく耐えてくれて、本当に強くなりました」

 賞金を加算し、目標が設定出来るようになったホッコータルマエは、ここで爆発的な成長を遂げたように見える。しかし、西浦調教師の評価は違っていた。

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GIの注目馬にスポットを当て、主戦騎手や管理調教師を独占取材するnetkeibaのスペシャルインタビュー。GIに向けた意気込みや中間の調整過程、レース後に直撃し、戦いの舞台裏にあった知られざる真実を語っていただきます。

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